庭野平和財団 令和3年度の公募助成先発表 国内外の11事業に992万円
公益財団法人庭野平和財団はこのほど、令和3年度の公募助成先を発表した。国内外の個人や団体による11事業に計992万3524円を助成した(各団体への送金時レートの変動に伴い円換算の額が変わるため、総額は参考値)。助成金は、立正佼成会一食(いちじき)平和基金からの指定寄附によるもので、「一食を捧げる運動」の浄財が使われている。
同財団の公募助成は、「宗教的精神に基づく社会・平和活動」「地域で展開される草の根活動」が対象。分断や対立が深まる世界の状況を踏まえ、今回も引き続き、「分断された社会の中の対話と協力」を推進する活動に絞って公募した。昨年9月22日から10月22日までの募集期間中、203件の申請が寄せられた。
今回の助成では、紛争終結後も分断が続く地域での青少年に向けた平和教育のほか、難民や少数民族といった地域社会のマイノリティー(少数派)に対する差別の解消などに取り組む11事業が選出された。
この中で、「人権とエンパワーメントのプロジェクトの会」は、ナイジェリア東南部で続く、イスラーム教徒の牧畜民とキリスト教徒の農民との紛争終結を目指し、両者から平和を構築するための提案を聞き取るとともに、話し合いの場を設けて友好的な共存関係を構築する。
また、「アジアムスリム行動ネットワーク」は、アジアの少数民族出身の若手研究者を集め、少数民族に対する差別の原因を分析し、解決策を模索。今後、その研究成果を広く市民に共有し、実際の行動につなげていく。
「カルトゥラノヴァ・アソシエーション」は、コソボの独立を巡って対立感情が癒えないセルビアとコソボ両国の市民の融和に努める。同団体は、両国の青年アーティストを対象に、「和解に捧げるアート」プロジェクトを実施。協働でアート展や、演劇の公演などを開催する。