本会が『ウクライナ情勢に関するメッセージ』を発表
立正佼成会は3月12日、『ウクライナ情勢に関するメッセージ』を発表し、同ウェブサイトに公表した。メッセージでは冒頭、ロシア軍のウクライナへの侵攻に反対の意を表明。ロシア政府に即時停戦と平和的解決の話し合いに臨むことを求め、各国には対話の道を閉ざさず、粘り強い外交交渉を要望するとともに、本会も対話による平和的解決への協力と人道支援に尽くすことを示した。さらに、平和実現のための祈りと行動に努めていく決意を表している。
ロシアのプーチン大統領は2月21日、ウクライナ東部の親ロシア派勢力が自ら名乗る「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を一方的に承認した。その3日後の24日、ロシア軍がウクライナに侵攻した。プーチン大統領は、核兵器使用も示唆し、世界中が緊張に包まれた。
ウクライナでは、ロシア軍の侵攻により各地で市民の被害が増え続けている。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、3月8日時点で、国外に避難したウクライナ市民は200万人以上。15日現在で300万人を超えた。
こうした状況に対し、各国はロシアの軍事侵攻を非難。経済制裁をはじめ文化芸術、スポーツなど各分野でのロシアの除外など厳しい措置が取られた。同時に、停戦に向けた各国の外交努力も続けられている。
一方、各国では市民が街頭やSNSで反戦の意思を表し、厳しい統制下にあるロシアでも各地で侵攻に抗議するデモが起きている。多くの人々が戦争を望んでおらず、反戦の声が世界に広がっている状況だ。
軍事侵攻に反対の意を表明 平和的解決への祈りと行動に努める
本会では、軍事侵攻が報じられた直後から、会員たちが各家庭でウクライナ情勢の平和的解決をはじめとする世界平和への祈願を続けている。1日、4日、10、15日に大聖堂で行われたご命日式典の読経供養では、「ウクライナ情勢 平和祈願供養」の式文が奏上された。欧州会員たちによる平和祈願供養も行われた。
3月3日には、ウクライナ市民への人道支援として本会一食(いちじき)平和基金から2000万円の拠出を決定。支援金はUNHCRと国連世界食糧計画(国連WFP)に寄託された。
3月12日に発表された本会のメッセージでは冒頭、「ロシア軍のウクライナ侵攻に、強く反対の意を表明します。尊いいのちを守るため、ロシアの為政者に、即時停戦と平和的解決のための話し合いに臨むよう訴えます」と表明した。
また、1978年の第1回国連軍縮特別総会で庭野日敬開祖が武装の無益を説いて、全人類が心を一つにして平和のために尽くすようにと演説したことに言及。それ以来、本会が絶対非戦の精神で平和活動に取り組んできたことに触れながら、ウクライナ情勢の現状に心を痛め、核兵器使用に強い懸念を抱いているとの考えを記した。
その上で、対話に基づく平和的解決がなされるよう、各国には粘り強く外交交渉を重ねてほしいと要望。本会としても、国内外のネットワークを通じて対話による平和的解決の道を探り、国連機関などと連携して避難者の人道支援に取り組む意思を示した。
さらに、「武力行使は恨みの連鎖を生むだけで、真の解決とはなり得ません」と戦争の無益を改めて訴え、一日も早く平和が回復されるよう祈りと行動を続けていくとの決意を表している。