東京オリンピックの陸上男子走り高跳び、イタリアとカタールの2選手が金メダル(海外通信・バチカン支局)

東京オリンピックの陸上男子走り高跳びの決勝が8月1日、オリンピックスタジアム(新国立競技場)で行われ、カタールのムタズエサ・バルシム(30)と、イタリアのジャンマルコ・タンベリ(29)の2選手が大会側と協議し、共に金メダルを獲得した。

2時間にわたる熱戦は、最後に残った両選手が2メートル39に挑戦し、どちらも3回失敗。この時点で、二人は2メートル37まで一度の失敗もなくクリアし、全く同じ成績で並んでいた。大会側は、決着するまで1回ずつ跳躍する「ジャンプオフ」の実施を提示したが、バルシムは「金メダルを二つもらえないか」と提案した。大会側は、「当該競技者がもうこれ以上跳躍しないと決めた場合を含みジャンプオフが実施されない場合、同成績により第1位となる」というルールに従い、これを受け入れると、両選手は抱き合って喜び、健闘をたたえ合った。

翌2日に執り行われた表彰式では、両選手が握り合った手を高く掲げながら、「一人で勝つ」のではなく「二人で共に勝つ」ことを祝った。

世界保健機関(WHO)は3日、表彰台で握り合った手を高く掲げて喜ぶ両選手の写真をフェイスブックに掲載。「タンベリ選手、バルシム選手と共に新型コロナウイルスを跳び越えよう!」とアピールした。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)