大聖堂で「盂蘭盆会」 庭野会長が法話 行供養の大切さを説く (動画あり)

回向文

本日盂蘭盆会にあたり、本仏釈尊の御前(みまえ)において、仏弟子日鑛、謹んで申し上げます。

盂蘭盆会は、日本古来の仏教行事の一つであり、本会におきましても、大聖堂、並びに全国各地において、開祖さま・脇祖さまの精霊(しょうれい)、会員各家先祖代々の諸精霊(しょしょうれい)、並びに、寝食を忘れて布教伝道に尽瘁(じんすい)された先輩幹部の諸精霊、そして有縁・無縁の諸精霊に対し、お供物(くもつ)を献じ、法華経の読誦をもって、真心からの追善回向を捧げております。

そもそも盂蘭盆会の始まりは、釈尊のお弟子の神通(じんづう)第一といわれた目連尊者が、母である青提女(しょうだいにょ)を救う説話(せつわ)にあります。青提女は、わが子を思うあまり、ものを貪(むさぼ)り、ものを惜(お)しむという慳貪(けんどん)の罪で餓鬼道に落ちて苦しんでおりました。それを知った目連は、神通力によって救おうとしますが逆に苦しみを与えてしまいます。悲しみに暮れる中で、釈尊に救いを求めたところ、釈尊は、青提女の慳貪の罪は目連一人の力では救うことはできず、修行を共にする多くの善友(とも)からの回向供養と、その善友(とも)への布施供養によって救われることを懇々(こんこん)と諭されました。そこで目連は、多くの善友(とも)の力を借り、供養を行うことによって、ついに母を餓鬼道から救うことができたのです。

私(わたくし)たちはこの説話を通して、親や先祖に対し、生命(せいめい)を連綿(れんめん)として繋げてくださったこと、そして値(あ)い難(がた)きみ仏の教えに出会えたことへの感謝をもって、供養をする大切さを教えていただきました。

今もなお、新型コロナウイルスの感染拡大が続いております。私たちは本日の法要を通し、この混沌たる状況を人間が真に大切にすべきものは何かを見つめ直し、更なる大乗菩薩道の実践をお誓いして、追善回向の誠を捧げさせていただきます。

 一心(いっしん)に仰ぎ見たてまつる久遠実成の御本尊
並びに十方世界に遍満(へんまん)する、
諸仏・諸菩薩・諸天善神
私たちを法華経にお導きくださいました、
開祖さま・脇祖さま
何とぞ、私たちの菩薩行をご照覧くださいますように、宇宙に存在する唯一(ただひと)つの母なる水の惑星・地球世界に平和が招来されますように、すべての生きとし生けるものが平安でありますように、慈悲の御手(みて)を差し伸べ、ご守護くださいますようお願い申し上げます。
南無妙法蓮華経
令和三年七月十五日
立正佼成会
会長 庭野 日鑛
謹んで申し上げます