東京西支教区「六花の会」がオンラインで仏教経営者塾

当日は、会員2人が自らの仕事を振り返り、「利他の精神」を経営に生かした体験を発表した(「Zoom」の画面)

立正佼成会東京西支教区の「六花(りっか)の会」による仏教経営者塾が3月28日、オンラインで行われ、同支教区の経営者や個人事業主の会員約50人が参加した。六花の会は仏教精神を経営に生かす会員有志の全国的なネットワークで、教会や支教区単位で学びを深めている。

当日は、会員2人が体験発表を行った。不動産賃貸業を営む文京教会の女性会員は、所有する賃貸マンションの内装工事を始める際、コストを削るため、管理会社を通して入居者の要望を聞き取る手間を省き、施工業者に工事を依頼した結果、入居者から工事への苦情が寄せられた経験を紹介。改めて管理会社を間に入れて入居者の声に耳を傾け、工事をやり直すことになった経緯を説明し、目先の利益ばかりにとらわれずに、顧客の心に寄り添う大切さを学んだと語った。

一方、2010年に旅行会社を起こした品川教会の男性会員(56)は、その翌年に東日本大震災の影響で事業の縮小を迫られたが、「地域・社会に貢献する」という創業の精神に立ち返り、被災地の復興を願ってボランティアツアーなどを始めた当時の取り組みを紹介。昨年来の新型コロナウイルス感染症の流行で旅行業界全体が大きな打撃を受ける中、これまでに培ったネットワークを生かして、宮城・南三陸町の海産物の販売、防災士の資格を取得しての防災グッズの販売など事業の多角化を進め、苦境を乗り越えようとしている現状を報告した。

この後、東京西支教区「六花の会」の出射優行相談役が「かみしめ」を発表。多くの企業再建に携わり、各教会や支教区の仏教経営者塾の講師を務めた福永正三氏(滋賀教会会員、2018年11月逝去)の著書『会社再建』に触れ、どのような経済状態でも、職場のリーダーである経営者が率先して「感謝する心」「思いやる心」を表す大切さを強調した。

この後、参加者はグループに分かれて体験発表の感想などを語り合った。