ミャンマーの修道女と思いを一にする教皇(海外通信・バチカン支局)

ミャンマー国軍のクーデターに抗議するデモ参加に厳しい弾圧が続く北部カチン州ミッチーナで3月8日、一人のカトリックの修道女が武装した警官たちの前でひざまずき、市民に発砲しないように嘆願した。その一連の様子が各国メディアを通して世界に報じられた。

ローマ教皇フランシスコは同17日、バチカンで行われた一般謁見(えっけん)の席上、この修道女の行為に言及。「私もミャンマーの路上でひざまずき、『暴力をやめてください』と懇願する」と語った。さらに、「もう一度、深い悲しみを持って、ミャンマーで起きている悲劇に思いを馳(は)せる」と心境を明かし、多くの市民、特に若者が国民に希望をもたらすために自らの生命を捧げなければならない現状を憂えた。その上で、修道女のように、「私も両手を広げ、『対話が勝るように』『流血は解決をもたらさない』と訴える」と述べ、平和的解決を願った。

ローマ教皇庁外国宣教会の国際通信社「アジアニュース」は同日、同国の仏教組織「サンガ・マハ・ナヤカ委員会」(通称マハナ)が、抗議する市民への暴力の即時停止を要請する声明文を18日に公表すると伝えた。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)