WCRP/RfP日本委 「気候非常事態宣言の国会決議を歓迎する声明」を発表 公式ウェブサイトに掲載

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は11月20日、国会で同日に「気候非常事態宣言」の決議が成立したことを受け、植松誠理事長名による「気候非常事態宣言の国会決議を歓迎する声明」を発表し、同日本委ウェブサイトに掲載した。

同19日に衆議院本会議、20日に参議院本会議で採択された国の同宣言は、超党派の議員連盟によってまとめられたものだ。宣言では、近年、地球温暖化を一因として、世界各地で記録的な熱波、大規模な森林火災、ハリケーン、洪水が起こり、国内でも、猛暑や大型の台風、豪雨が毎年のように発生していると指摘。「もはや地球温暖化問題は気候変動の域を超えて気候危機の状況に立ち至っている」との認識を世界と共有し、一日も早い脱炭素社会の実現に向けて、国を挙げて実践していく決意を示している。

同日本委の声明では、現在の地球温暖化が続けば、さらなる大災害の発生、食料不足、病気の蔓延(まんえん)、戦争の頻発が危惧されると表明。産業革命前からの気温上昇を2度より低い状態に保ち、1.5度に抑えることへの努力を定めたパリ協定に沿って、2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにする必要性を強調した。

また、2016年12月にオーストラリアのダレビン市が世界最初の気候非常事態宣言を発表して以来、今年10月時点で1700を超える自治体と31カ国が宣言していると説明。この活動は大学、学会、企業などに波及し、同日本委も今年1月28日に独自の宣言を発表したことを改めて報告した。その上で、今回の国会決議は、日本の自治体、各団体に宣言の決議を促すとともに、国際的にも日本の姿勢を示したもので、大きな意味があると歓迎の意を表した。

さらに、今後必要な取り組みとして、「日本政府は、この宣言にもとづき、気温上昇1.5℃に抑制するための具体的な実行計画を早急に策定すること」など3点を提示。同委も祈りと平和の行動を通して、脱炭素社会の実現に尽くすとの決意を表明している。

「気候非常事態宣言の国会決議を歓迎する声明」(WCRP/RfP日本委員会ウェブサイト)