WCRP/RfP共催 「女性・信仰・外交会議」 光祥次代会長が開会式でスピーチ
『信仰を守り、明日の世界を変えていく』をテーマに、ドイツ外務省、リンダウ財団、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)共催の第1回「女性・信仰・外交会議」が11月10日から13日まで、ドイツ・リンダウを拠点にオンラインで開催された。90カ国から宗教者や政府関係者ら600人以上が参加した。
昨年8月にリンダウで開催されたWCRP/RfPの第10回世界大会では、信仰を持つ女性が政治や公共の分野で果たす役割について協議された。今回の会議は、昨年の議論を踏まえたもので、世界や地域の諸課題への取り組み、国や組織間の交渉において女性の特長を生かしていくため、女性宗教者のネットワークの構築が目的に掲げられた。
10日の開会式では、WCRP/RfP国際委のアッザ・カラム事務総長のあいさつに次いで、同国際共同議長を務める立正佼成会の庭野光祥次代会長と正教会のエマニュエル・アダマキス・フランス府主教が「歓迎の言葉」を述べた。
英語でスピーチした光祥次代会長は、第10回世界大会での女性宗教者の活躍に触れ、「男性がつくった枠組みに女性が入って活動する時代から、男性と女性が尊重し合い、お互いの特長や強みを生かす融合の時代へと移っている」と強調。女性は、女性の権利や地位向上を主張するだけでなく、存在を無視されている全ての人々の代弁者として声を上げていくことが大切と語った。
また、自国第一主義や新型コロナウイルスの感染拡大の影響による「分断」が進む世界の中で、WCRP/RfPは「Shared Security(分かち合う安全保障)」「Shared Well-being(分かち合う幸せ)」という概念を示し、国や宗教の違いといった既存の枠組みを超え、全ての人にとって安全で幸せな社会を実現するために取り組みを推進していると説明。「個々の利害を超え、世界全体、さらに未来の人々の幸せを願って行動することが、神仏の声を聞く宗教者の最も重要な役割」と述べ、会議に期待を寄せた。
続いて、ドイツのメルケル首相、アントニオ・グテーレス国連事務総長がビデオメッセージを寄せ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のジリアン・トリッグス事務次長補、国連人口基金(UNFPA)のイブ・ピーターセン副事務局長らが基調講演を行った。
この後、4日間にわたり、『リーダーシップの再定義』『ジェンダー平等の促進――外交における女性の役割』『紛争予防の礎としてのヘイトスピーチとの闘い』『価値主導型教育』『環境保護』を議題に全体会議が行われ、宗教者や閣僚経験者、NGO代表、研究者が講演。紛争和解や政策決定に女性の特長や視点を生かすために男性中心の社会構造を変えていく必要性や、国と国、組織と組織、人と人とをつなぐ女性の役割の重要性が示され、対立や紛争の原因となる恐怖や偏見をなくすため宗教間の相互理解の促進が提案された。
各全体会議の後には、分科会やパネルディスカッションなどが行われた。
連日、会議の冒頭には、諸宗教による祈りが捧げられた。11日は本会が担当した。
セレニティホールでの読経供養、芳澍女学院情報国際専門学校の学生らの体験発表、渉外グループスタッフの祈りの言葉の唱和がライブ配信された。