感染拡大に揺れる北米(海外通信・バチカン支局)

宗教行事を中止し、家で祈ろう――カナダの諸宗教者

カナダ・ケベック州のキリスト教、イスラーム、ユダヤ教、シーク教、ヒンドゥー教の指導者約30人はこのほど、「こうした危機的状況(新型コロナウイルス=COVID-19=の世界的な流行)で唯一の適切な行動は、家で祈り、あらゆる宗教行事を中止することだ」という共同声明文を発表した。バチカンの公式ニュースサイトである「バチカンニュース」が3月25日に報じた。

声明文では、「私たちの信仰は、それぞれが所属するコミュニティーや社会にいる、傷つきやすい人々を擁護するようにと説いている。私たちは、それを実行しなければならない」と強調。高齢者や病人などを守るため、外出禁止令や、人と密接せずに間隔を空けるという州政府の条例を順守し、あらゆる礼拝場を閉鎖すると表明している。

これらは多大な犠牲を強いる措置だが、「コミュニティーと地域住民のため」と説明。信徒たちが、テレビ、ラジオ、インターネットを通して宗教行事に参加できるようにしていくと伝えた。同国での感染者数は3月30日現在、6304人に上る。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)