「北陸六花の会」が仏教経営者塾 職場での“教えの実践”など意見交換

「北陸六花の会」の初めての仏教経営者塾。経営者や個人事業主など26人が参加した

仏教精神を生かす経営を目指して2018年12月に発足した「六花(りっか)の会」による「仏教経営者塾」が、今年も各地で開催される。

2月9日には、「北陸六花の会」による第1回仏教経営者塾が立正佼成会金沢教会で行われ、北陸支教区6教会から経営者や個人事業主などの会員26人が参加した。

当日は、昨年9月に「第1回世話人総会」で決定した六花の会の「綱領」「行動規範」を全員で唱和。次いで、庭野日敬開祖と京セラの稲盛和夫名誉会長から薫陶を受け、多くの企業再建に携わった滋賀教会会員の福永正三氏(一昨年11月逝去)の講演をまとめた映像作品を視聴した。この後、同会共同推進副責任者(東京西支教区代表世話人)を務める男性会員(62)=杉並教会=が講師を務め、自らの体験を発表した。

男性会員は、企業の営業職を経て健康食品・化粧品の販売会社を起こした。会社は順調に売り上げを伸ばしたものの、主力社員が大量に離職し、業績不振に陥って売り上げが最盛期の10分の1にまで減少した。

男性会員はそうした経緯を明かすとともに、当時、杉並教会の仏教経営者塾で講師の福永氏から「(会社は)経営者の思いで変わる」とのアドバイスを受け、残った社員に対し、目標とする年商や、それに伴う給与などを具体的に示すように努めたと述懐。これにより、社員の結束が強まり、顧客の新規獲得と創意工夫による経費節減が進み、業績が回復したと語った。

その上で、経営者は自らが練り上げた経営哲学や会社の方向性を社員や取引先に対して明示することが重要と強調。その手段の一つとして経営理念の策定を挙げ、自身も六波羅蜜(ろくはらみつ)など仏の教えを込めた経営理念を掲げ、毎日、社員と共に朝礼で唱和していると話した。

この後、参加者は六花の会が編纂(へんさん)した『庭野日敬 経営者心得帖』を輪読。次いでグループ討議に臨み、職場での六波羅蜜の実践方法、経営者として大切にしている心構えなどについて意見を交わした。