中央学術研究所が『大乗仏典思想叢書』発刊 漢訳『法華経』の底本研究語彙索引
立正佼成会の付置研究所である中央学術研究所はこのほど、漢訳された『妙法蓮華経』の底本研究のための語彙(ごい)索引『Philosophica Mahāyāna Buddhica Monograph Series(大乗仏典思想叢書=そうしょ=)』を発刊した。同研究所学術研究室の西康友主幹が編纂(へんさん)した。
同研究所はこれまで、法華経を中心とした大乗仏典に示される内容を解明し、仏教思想研究の発展に寄与することを目的に、アジア圏の諸思想や宗教の聖典に対する文献学的な研究の基盤整備として、初期仏典やジャイナ教の聖典や文学、初期大乗仏典の語彙・詩脚索引や写本カタログなど32冊を発行してきた。
今回の叢書は、その一環。世界初の梵文法華経校訂本『ケルン・南條本』(ローマ字版)と、その中に含まれる『梵文法華経中央アジア伝本カシュガル本』(同)の正順・逆順語彙索引となる。出土地域や書写年代によって異なる梵文法華経写本の語彙、語形、語法などを文献学・言語学手法で分析し、『ケルン・南條本』脚注のカシュガル本を精査できる資料だ。法華思想やその成立の研究に対して信頼度の高い資料となることが期待される。
同研究所は、同叢書のより広い活用を願い、全ページをインターネット上に公開。国立国会図書館など一部の公共図書館にも提供している。
同叢書(PDFファイル)のダウンロードは下記のアドレスから(英文)。