「開祖さま入寂会」 遺徳偲び、「一乗」の世界を誓願

式典に先立ち、庭野開祖の「お舎利」が奉安されている一乗宝塔で、「開扉の儀」が行われた

立正佼成会を創立した庭野日敬開祖の遺徳を偲(しの)び、「追慕」「讃歎(さんだん)」「報恩感謝」の思いを深める「開祖さま入寂会(にゅうじゃくえ)」が10月4日、東京・杉並区の大聖堂はじめ各教会で挙行された。大聖堂には会員約3300人が参集。大聖堂の式典の模様は、インターネットを通じて国内外の教会はじめ各拠点に配信された。

式典に先立ち、庭野開祖の「お舎利」が奉安されている一乗宝塔で、「開扉(かいひ)の儀」が行われた。参拝に訪れた会員が見守る中、庭野日鑛会長により扉が開かれた。

大聖堂での式典では、全国の青年女子部員20人による「献供(けんく)の儀」に続き、「開祖さまとの対話」の時間が設けられた。参集者は庭野開祖に思いを馳(は)せ、布教伝道への誓いを新たにした。

法話に立つ庭野会長

次いで読経供養が行われ、導師をつとめた庭野光祥次代会長により庭野会長名の「報恩讃歎文」が奏上された。この中で庭野会長は、生涯を通して法華経の教えである「一仏乗」を体現した庭野開祖の遺徳を偲び、「私たちが、法華経に説かれた菩薩道を実践し、一人ひとりを大切にするところに、開祖さまの精神が生き続けるに違いありません」と明示。「一乗」の世界を目指し、「平和で調和のある日本、世界の実現に向けて大乗菩薩道を歩んでいくこと」を誓願した。

この後、蔵野智加江元教会長が『開祖さまを偲んで』と題し、体験を発表した。蔵野元教会長は、昭和58年に新任教会長として所沢教会に赴任する際、庭野開祖から、会員一人ひとりに学ぶ姿勢を大事にすることによって、「あなたがこれから果たしていく役があるはずですよ」と言葉を掛けられた当時を述懐。その教えを胸に刻み、教会長の役は人を指導することではなく「一生懸命に学んでいく姿を見てもらうことなのだ」と受けとめ、国内外で布教伝道に努めた体験を語った。さらに、入寂された庭野開祖は「私たちが教えをお伝えしようとしているところに必ずいらっしゃる」と話し、「尊いみ教えを出会う人にお伝えし、共に学び、苦を乗り越えていくことが開祖さまへの報恩感謝だと思います」と決意を述べた。

焼香後、法話に立った庭野会長は、仏教の「五戒」にある「不殺生」は「生き物を殺すなかれ」という意味であり、「(自らが)殺したり、人をして殺させたりしてはならないこと」と説明した。加えて、全ての人は、神仏から「汝(なんじ)、生きよ」との願いを託されてこの世に生まれてきたのであり、自分の姿、形に対して不満を口にするのは、授かったいのちに善しあしをつけることで不殺生戒を犯すことになると詳述。大乗仏教では、「宇宙のいのち、天地のいのち、その全てが仏性の中に生かされている」と説かれており、各人が自らのいのちに照らして、そのことを自覚し、生きがいを持って精いっぱい生きることが大切と強調した。