【詳報】「アフリカの新たなビジョン2019」 諸問題解決のための行動を模索
午後には、千葉大学大学院の小林正弥教授を進行役に対話型講義「アフリカ白熱教室」が行われた。白熱教室は仮想事例を基に支援活動のジレンマについて登壇者や参加者の賛否を問う形で進められ、経済開発のみを優先させない市民活動の意義や支援活動のあり方などを議論した。
この中で、登壇者の一人、本会時務部の根本昌廣主席は、支援活動を行う上で心がけていることとして、活動が支援者側の自己満足になっていないかと常に省みることを挙げ、日常生活の中でアフリカの人々に思いを馳(は)せ、国境や垣根を越えていく意識を持つ大切さを語った。
インフラ整備や技術支援といった経済開発こそ、国を豊かにするために最も必要なのではないかとの小林教授からの投げ掛けに対しては、認定NPO法人「日本国際ボランティアセンター」(JVC)の今井高樹代表理事が回答。今井氏は、戦後日本の経済開発は、発展と同時に農村部の過疎化や人間関係の希薄化といった問題も生んだと説明し、本当の意味でアフリカの人々のためになる開発のあり方を模索する必要があると指摘した。また、菊地大司教は、「互いに生きる希望を生み出していけるようなパートナーシップをつくっていくことができれば」と話した。