【詳報】「アフリカの新たなビジョン2019」 諸問題解決のための行動を模索

今回はTICAD7のパートナー事業として行われ、各国の政府代表やNGO関係者が出席

午前の会議の終わりには、ここまでの議論を踏まえ、カトリックの菊地功東京大司教が宣言文「アフリカの新たなビジョン2019 共同の呼びかけ」を読み上げた。宣言文では、現在、世界は、経済や物質的な価値が重んじられる一方、人間が尊重されず、社会的弱者への不正義がはびこる時代を迎えていると指摘した。この背景には、対話の欠如や蔑視の文化があるとした上で、ここに集う文化、政治、宗教の代表や各団体のメンバーの一人ひとりは「共生と平和の学校」であり、各人が人間同士や全ての国や文化の間の対話を促進することで、人々の心を変えることができると表明。その心の変化、共存と協働の力によって、政治的な構造すらも変えることが可能になるとの見方が示された。

「誓いの言葉」を読み上げる本会の川端理事長

これを受け、共催する各団体の代表が登壇し、「誓いの言葉」を述べた。この中で本会の川端健之理事長は、ハチドリが森林火災を消すために、逃げる動物たちの嘲笑をよそに、水を口に含み、一滴ずつ火の上に落としていくという南米の説話を引用。真摯(しんし)なハチドリの姿は市民の模範であるとし、アフリカが直面する諸問題の解決に向け、「一人ができることはわずかかもしれない。だからこそ、何か自分にできることを見つけて行動に移さなければ、何も解決しません」と語った。その上で、そうした実践の事例として、川端理事長は本会の「一食(いちじき)を捧げる運動」を紹介。自分にできることを一つずつ増やし、できないことにも挑戦しながら同じ志の賛同者を増やす努力を続けることを誓った。

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