第24回法華経国際会議 庭野学林学長ほか研究者11人が参加
『対話が発する光――法華経を透して観る諸宗教対話の展望』をテーマに、6月13日から16日まで、立正佼成会の大聖ホール(東京・杉並区)などで「第24回法華経国際会議」(国際伝道部主管)が開催された。
同会議は、法華経研究の発展を目的とするもので、今回は創設当時のテーマに立ち返り、「諸宗教間対話」に再度焦点が当てられた。米国、フランス、日本、マレーシアの大学や神学校からキリスト教、イスラーム、ユダヤ教、仏教の研究者11人が参加。本会国際アドバイザーのドミニック・スケランジェロ博士がコーディネーターを務めた。
冒頭、同会議の創設者で今年5月に逝去した本会国際アドバイザーのジーン・リーヴス博士(ミードビル・ロンバード神学大学院元学長)への黙とうが捧げられた。
その後、参加者はそれぞれの立場からテーマに基づく論文を発表し、全員で議論を深めた。
『キリスト教の知恵と法華経――お互いを照らし合う宗教間対話』と題して発表した米ジョージタウン大学のレオ・レフェビュア教授は、カトリックの信仰では、「自らの罪を清める、神の知恵を得て世界全体を新たな視点で見る、神や全ての創造物と一体となる」という3段階の過程を経て信仰が深まると説明した上で、法華経でも、仏の悟りを得る過程を同じような3段階に分けて説いていると分析。こうした類似点を基盤に宗教間対話を進めていく実践法を提案した。
また、イスラームと仏教間の対話を研究するイミティヤス・ユスフ准教授(マレーシア国際イスラーム大学)は、11世紀から13世紀頃のムスリム(イスラーム教徒)の法学者や政治家が他の宗教を理解するために積極的に仏教を研究し、書に著した歴史を紹介した。
本会から出席した庭野統弘学林学長は、『諸宗教対話への道――法華経の教えとフォコラーレの精神』をテーマに論文を発表。1975年から続く本会とフォコラーレ運動(カトリックの在家運動体、本部・ローマ)の交流の歩みを振り返るとともに、自身がイタリアで神学を学んだ経験を基に、諸宗教間対話を促進する上で大切なのは、対話を通して「信仰の喜び」を分かち合うことと語った。
参加者は14日午後、東京・目黒区の天恩山五百羅漢寺を訪問した。15日は、本会杉並教会のご命日式典に参加し、法座を体験。午後には、大聖堂や開祖記念館を見学した。
ユスフ准教授は、「人と人との関係性を重んじ、相手を尊重する立正佼成会の教えに感銘を受けました。法華経と諸宗教間対話について研究をさらに深めたい」と話した。