生誕をテーマに 正指揮者、大井剛史氏が指揮 東京佼成ウインドの第144回定演

バスバリトンの久保和範氏

東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)による「第144回定期演奏会」が6月15日、東京芸術劇場(東京・豊島区)で開催された。約1000人が来場した。

指揮は大井剛史氏(TKWO正指揮者)。今回のプログラムは、今年、生誕70、80、90、100年をそれぞれ迎える作曲家の吹奏楽オリジナル作品で構成された。

生誕70年となる真島俊夫氏(1949-2016)の作品「鳳凰が舞う-印象、京都 石庭 金閣寺」から始まり、生誕80年はR.ジェイガー氏(1939-)の「壁(ベトナムで戦った人たちの想い出)」、生誕90年は黛敏郎氏(1929-1997)が26歳の時に作曲した「トーンプレロマス55」、そして生誕100年となるV.ネリベル氏(1919-1996)作曲の「シンフォニック・レクイエム」の4曲が披露された。

「トーンプレロマス55」では、刃の無い“のこぎり”を弓で奏でる珍しい楽器「ミュージカル・ソウ」が使用された。また、「シンフォニック・レクイエム」は通常の吹奏楽編成に4手ピアノとバスバリトン(声楽)一人が加わる大編成の楽曲で、普段、触れる機会が少ない構成のため、貴重な演奏として詰め掛けた吹奏楽ファンを魅了した。

ミュージカル・ソウを演奏するおぎ原まこと氏

演奏会終了後はTKWOサポーターズクラブの「シーズンファイナルパーティー」が催され、40人のサポーターと団員、合わせて約100人が懇談する時間が持たれた。この中では、団員による木管五重奏、金管五重奏、サクソフォンカルテットが披露された。