「ペルシャ湾の緊張緩和は外交交渉によって――教皇」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

緊迫するスーダン 民政実現へ対話促す――アフリカのWCRP/RfP

スーダンでは、4月の軍によるクーデターで政権を掌握した暫定軍事評議会(TMC)が、民主化を求める連合体に弾圧を強めている。両者は、3年間の移行期間を経て民政に移管することで合意していたが、軍部によるデモ隊への武力行使により、すでに100人を超える死者が出たと報道されている。

緊迫するスーダン情勢を憂慮するアフリカ宗教指導者評議会(ACRL)と世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会はこのほど、声明文を発表。「暫定軍事評議会と抗議デモの連合体が、対話によってスーダンに和平を回復させ、国民の要請に応える政権樹立へ向けて条件を整えるように」と訴えた。ローマ教皇庁外国宣教事業部の国際通信社「フィデス」が10日に伝えた。

カトリック教会を代表して、ACRLで活動し、WCRP/RfP国際共同議長を務めるジョン・オナイエケン枢機卿(ナイジェリア・アブジャ大司教)が署名した諸宗教者による声明文では、「(首都)ハルツームの路上で展開されている平和的な抗議デモへの暫定軍事評議会の対処を非難」している。また、「平和的な方法で抗議するデモ参加者たちを解散させるために、軍部が使用する方法は野蛮な暴力行為であり、衝撃的、悲劇的である」と糾弾。特に、「身体的暴力、実弾の発砲、医療施設を標的とする攻撃、表現の自由を求める活動家や抗議デモ参加者たちに対する裁判なしの拘束」を告発した。

その上で、「彼らに対する連帯」を表明。スーダン軍部に対して「医療施設を標的とする攻撃の停止と法治国家(の建設)を支持し、裁判なく拘置されている人々を釈放するように」と呼び掛けている。そして最後に、暫定軍事評議会と、抗議デモ参加者の連合体との間に対話がなされ、民政への移管が実現するように訴えている。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)