庭野平和賞受賞者のレデラック博士が来会

午後には法輪閣で、本部職員を対象に、博士と清泉女子大学の松井ケティ教授によるワークショップが行われた。人間関係の中で生じた怒りを自ら制御し、対立や衝突を、関係を改善する「良い機会」と捉えて、共生に向けた方法を学ぶもの。庭野光祥次代会長、川端健之理事長をはじめ、85人が参加した。

ワークショップの中で博士は紛争地での市民の平和活動を紹介した

ワークショップでは、松井教授によるアンガーマネジメントの講義に続き、レデラック博士が登壇。博士は、ケニアとソマリアの国境で起こった民族紛争、60年間にわたるコロンビア内戦に触れ、子供たちの未来のために立ち上がった市民の力によって、対話が生まれ、内戦が終結した事例を紹介した。さらに、紛争や対立は、恐怖で人々が自分を見失い、思考が止まった時に起きると指摘。そのため、自らの恐れの原因を探ると同時に、相手の話を聞くことが大切と説き、「耳を傾ける努力をすると恐れが減り、相互に思いやりが醸成されていく」と述べた。紛争地でも敵対する者同士が対話する場が設けられ、良い人間関係を築けるように、「紛争変革」(紛争変容)の努力が続けられていると詳述した。

この後、参加者は班ごとに、日常生活で怒りを感じる場面を挙げ、そうした場面での最善の対応について意見を出し合い、模造紙にまとめた。

また、翌11日、博士は青梅練成道場で学林生12人と交流。青梅の自然の中で俳句を詠み、五感を鍛える講習を行った。

青梅の自然を五感で感じ、俳句を詠む博士と学林生ら