熊本地震3年 熊本教会で法要と復興イベント 犠牲者に慰霊の誠を捧げ、復興への思い新た

本会長崎教会の会員らによる「龍踊」。晴天の下、巨大な龍が宙を舞った

21日には熊本教会道場で、地震発生後の支援活動を通して交流を深める地域住民と共に「熊本地震復興イベント2019」が開催され、市民、会員ら約700人が参加した。

地震発生直後、熊本教会は、近隣の住民約200人を受け入れた。その後、熊本市の避難所に指定され、食事の提供など、支援活動を続けた。それ以来、住民との交流が深まり、そのつながりを大切にしようと、毎年、イベントなどを実施してきた。

同教会では、震災発生から3年を迎えた今年、「地域住民と共に復興への思いを新たにしたい」という壮年部の願いを受けて実行委員会が発足。部員が地域の団体に出演を依頼し、賛同を得て、今回の催しが実現した。

当日は、被災当時の状況を振り返る映像が流された後、熊本市立西山中学校吹奏楽部によるコンサートが行われた。40人の部員は、阪神・淡路大震災後に作られた復興応援歌「しあわせ運べるように」「アイデア」など6曲を演奏。次に、地元の和太鼓チーム「千原太鼓」のメンバー19人が登場し、勇壮に和太鼓を打ち鳴らして3曲を奏でた。吹奏楽の美しい旋律、和太鼓の力強い音がそれぞれ法座席に響き渡ると、観客から大きな拍手が送られた。

堂々と和太鼓を打つ「千原太鼓」のメンバー

この後、本会長崎教会の会員ら約40人が、長崎県の伝統芸能「龍踊(じゃおどり)」を披露。銅鑼(どら)や太鼓などの音に合わせて緑色と金色の龍が軽やかに舞い、観衆を魅了した。

同中学吹奏楽部には地震後、熊本教会道場に避難した部員もいる。その一人、中学3年生の女子生徒(14)は、「地震の後、3週間ほど熊本教会で避難生活を送りました。その時、会員の皆さんに優しく接してもらい、毛布や食べ物を分けて頂いたことを今も覚えています。今回は、その恩返しの気持ちを込めて演奏しました」と語った。

千原太鼓の陣内巧会長は、「震災からまだ3年しか経過していません。まだまだ厳しい生活を送る人たちがいることを忘れず、今回の機会を通して復興への思いを共にしていきたい」と話した。

午後には、熊本教会の駐車場でチャリティーバザーが開かれた。収益金は、被災者の生活再建などを支援する熊本市の義援金に寄託する予定だ。