ローマ教皇 「11月に訪日」との意向を表明(海外通信・バチカン支局)
ローマ教皇フランシスコは1月23日、共同通信社の随行記者からの質問に答え、「11月に日本を訪問する」との意向を表明した。南米パナマで開催されるカトリックの若者の祭典「第34回世界青年の日」(2019年ワールドユースデー・パナマ大会)に出席するためローマ空港を飛び立った機上で、随行記者の一人ひとりにあいさつし、短く言葉を交わした際のことだ。
教皇が具体的な訪日の時期について発言したのは初めて。共同通信社は、「関係者によると、法王は11月下旬に5日間前後の日程で日本を訪れる予定。被爆地の広島、長崎を訪問し被爆者に祈りをささげるとしている」とも報じている。
教皇の発言の直後、バチカン暫定広報局長のアレッサンドロ・ジソッティ氏は、「教皇の日本への使徒訪問は、検討中の段階である。他の機会にも表明しているように、教皇の訪日へ向けての願いは大きい」との声明を発表した。暫定広報局長のこの声明は、正式(外交的)には、まだ公表できない段階にあるのだが、それをあえて行った教皇の「訪日へ向けての願いの大きさ」を示したものだ。
バチカンの公式サイトである「バチカンニュース」やイタリアの日刊紙「ラ・スタンパ」は、教皇の共同通信社記者への言葉を、「11月に日本を訪問する予定ですので、あなたも準備してください」という意味合いとして伝えている。現教皇はイエズス会の神父であった頃、日本で宣教に従事することを夢見ていたが、当時、肺に疾患があったため、総長からの許可が得られず、この時は断念した。ただし、聖職者として日本を訪れたことはある。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)