「一食岩手・釜石復興支援事業」 被災者の生活安定と住民間の信頼関係づくりに尽くす7団体に寄託

助成先の一つ、「曹洞宗岩手県宗務所ボランティアセンター」は、震災発生直後の2011年4月に発足した。同8月から釜石市社会福祉協議会が主催する仮設住宅での「お茶っこサロン」に参画し、震災による苦しみに寄り添う傾聴に努めてきた。さらに、同時期から子供たちの健全育成の重要性に鑑み、運動不足とストレスの解消を目的に、スポーツを通じた支援活動も展開している。

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同ボランティアセンターは11月17日、日本インラインスケート協会の協力のもと、イオンタウン釜石の敷地内で、子供たちを対象にしたインラインスケート講習会を実施。同協会のインストラクターが、滑り方や止まり方、倒れた際の起き上がり方などを丁寧に指導した。参加した子供たちは、「楽しいからもっとやりたい」「明日も来たい」など感想を語った。

元プロインラインスキーヤーで同ボランティアセンターの責任者を務める曹洞宗永昌寺の海野義範副住職は、「震災から7年が経ち、被災者の生活は以前に近い形に戻りつつある中でも、多くの人の心の傷はまだ回復していません。子供の笑顔にはその傷を癒やす力もあると感じているので、子供たちにインラインスケートを楽しんでもらうと同時に、その姿や笑顔を通じ、震災を経験した両親や祖父母も間接的に支援していきたい」と語った。