モザンビークの「武器をアートに」展 聖心女子大で始まる

内戦で人々の手に渡った武器を回収して溶接し、芸術作品に生まれ変わらせる「武器アート」の特設展示が10月31日、聖心女子大学グローバルプラザで始まった。

武器アートとは、かつて人々を苦しめた武器を回収して壊し、平和を訴える芸術作品に生まれ変わらせたものをいう。今回展示されるのは、モザンビーク出身の芸術家による作品6点。いずれも1990年代から2010年代に制作されたものだ。同展示は、「平成30年度国立民族学博物館公募型メディア展示」事業の支援を受け、行われた。

モザンビークは1975年の独立以降、17年にわたり内戦が続いた。停戦後も武器の使用による混乱はやまず、95年にキリスト教評議会(CCM)が中心となり、人々が隠し持つ武器を鍬(くわ)やミシンなどの生活必需品に交換する「銃を鍬へ」プロジェクトが始動。こうして民間組織や市民の協力によって武装解除が進められた。回収された武器の95%は爆破処理され、残りの5%が武器アートに生まれ変わった。

日本のNPO法人「えひめグローバルネットワーク」は、2000年から12年間にわたり、武器と交換する生活必需品の一つとして松山市で当時社会問題になっていた放置自転車をモザンビークに送ることで、プロジェクトを支援してきた。

当日は、展示の開催に合わせ、聖心女子大学の岡崎淑子学長や国立民族学博物館の吉田憲司館長、モザンビーク駐日大使のジョゼ・モライス氏による記者会見が行われた。

【次ページ:武器アートを通して伝わる「平和への思い」】