カンボジア国立仏教研究所のソー・ソクニー所長が本会を訪問 庭野会長と懇談
カンボジア国立仏教研究所のソー・ソクニー所長が9月19日、立正佼成会本部(東京・杉並区)を訪れ、法輪閣で庭野日鑛会長と懇談した。同研究所から手束耕治顧問が、本会から根本昌廣時務部主席、西由江習学部次長(青年ネットワークグループ)が同席した。
仏教を国教とし、国民の約9割が仏教徒であるカンボジアでは、1921年にクメール図書館が創立され、仏教の研究を開始。これが基となり、30年、インドシナ地域の仏教研究を主導する目的で同仏教研究所が設立された。以来、仏教の研究や関連書籍の出版の拠点としての役割を果たした。しかし、ポル・ポト政権(75~79年)の弾圧政策により、仏教は壊滅的な打撃を受けた。当時、約6万人いた僧侶は、虐殺や強制労働のほか、強制的な還俗によって3000人に激減。仏教書も焼き尽くされた。
同仏教研究所も甚大な被害を受けた。カンボジアの仏教や伝統文化、風習などを伝える書物のほとんどは散逸し、また職員や研究者の95%が虐殺されたことによって研究所はその機能を失い、閉鎖に追い込まれた。
しかしその後、90年代初頭まで続いた内戦を経て新政権が誕生すると、次々と仏教の再興に関する方針が示された。92年には、カンボジア仏教の復興の要である宗教省の復活が国会で認められ、仏教研究所の活動も再開。新たな仏教研究所の建設計画も進められた。本会はこの建設に協力することを決め、庭野日敬開祖の卆寿(そつじゅ)記念事業(95~2002年)として、本会一食(いちじき)平和基金から研究所の建設費1億2400万円を拠出。再建された02年の10月に行われた仏教研究所第2期工事落成式に庭野会長が出席し、祝辞を述べた。
さらに、07年に有力な支援団体の撤退によって仏教研究所が運営の危機に陥った際には、「カンボジア仏教研究復興支援事業」(16~18年)として約2200万円の運営資金を拠出し、仏教再興による同国の復興に寄与してきた。