「普門エリア整備工事」実施へ 12月から着工

1970年4月28日に落成した「普門館」。教団の行事のみならず、多彩な文化行事の拠点として愛された

立正佼成会の所有するホール「普門館」(東京・杉並区)全体の使用終了と、その後の「普門エリア整備工事」の実施が3月19日の全国教会長研修の席上、川端健之理事長から発表された。今回の発表は、2月23日の理事会での決定、3月18日の評議員会での報告を経て行われたもの。現在、教団創立80周年の本部参拝プログラムの一環として「ありがとう普門館」が実施されているが、こうした一連の行事終了後、今年11月中に建物全体の使用が終わり、翌12月から整備工事が始まることになった。

1970年4月に落成した普門館は本会の活動のほか、国内外のアーティストによるコンサートや全国校長会などに多く利用された。特に、全日本吹奏楽コンクール(高等学校の部)では「吹奏楽の甲子園」と呼ばれ、生徒に親しまれた。しかし、2011年の東日本大震災で首都圏の大型施設に被害が出たことから、翌12年、普門館大ホール天井(高天井)の耐震調査を実施し、その結果を受けた理事会は人命を第一に考え、同大ホールの使用停止を決定した。

同年、本部内に「新生・普門プロジェクト」を設置。基本的な方向性として、(1)2500~3000席の大ホールを有する新・普門館を建設する(2)新・普門館は本会だけでなく、吹奏楽等にも供し、大いに活用される施設とする(3)これらは財務的な視点も踏まえながら実現性を調査する、という3点が示され、検討を重ねた。

その結果、関連法規等に照らして当該地にホールを建築することは原則的に不可能であり、境内地としての措置を継続する上でも外部団体への積極的な貸し出しが困難であることなどが判明した。それでもなお、理事会では「建設への努力を惜しむべきではない」との考えが示され、熟慮が重ねられたが、「大いに活用される環境が整わない」ため、新・普門館の建設及び現・普門館の改修を断念することが2013年10月の理事会で決定された。併せて、普門館の建設に込められた「観世音菩薩の普門示現のはたらき」に倣い、「新生・普門精神」の展開を図ることや、杜(もり)づくりを起点とした「本部像」を検討していくことが決まり、これまで続けられてきた。

今後は、今年11月に建物全体の使用が終了し、翌12月から「普門エリア整備工事」が実施される。

同工事には、普門館の解体とその後の土地整備が含まれ、工事期間は今年12月から2020年5月までを予定。現在、解体後の初期の土地整備のあり方として、「大聖堂を中心とする慈雲台の景観や雰囲気を損なわない配慮をする」「創意工夫や応用の幅を持たせるため、芝生を一案とした緑地化を基本とする」「今後の普門精神に基づく実践の展開を想定し、柔軟な変化への対応を担保するために、地上部分に固定的な建物や施設を設けない」といった方針が示されている。ただし、「祈りの対象・祈りの空間」として、何らかの固定的な建物や施設を設ける可能性の余地は残されている。

なお、具体的な工事内容などについては、今後改めて報告がなされる予定だ。