気候変動の問題を地球市民として捉える WCRP/RfP日本委が「新春学習会」
一方、人類が1万年前、狩猟から農耕へと文明を転換させた「農耕革命」は、氷河期の訪れに対し、人類が環境に適応しようとした結果であったと詳述。2005年以降、二酸化炭素排出量が世界1位の中国が風力発電に力を注ぎ、化石燃料によらないエネルギー政策への転換を着実に進めている現状を報告しながら、「温暖化という人類の危機に直面している現代は、エネルギー消費や資源の循環効率を上げ、地球と共生する文明を私たちが作り上げるチャンスの時代でもあるのです」と述べた。
次いで、パネルディスカッションが行われ、竹村氏、曹洞宗長楽寺住職で同タスクフォースメンバーの峯岸正典師、日本聖公会大阪教区の岩城聰司祭が登壇。同日本委気候変動タスクフォース責任者の薗田稔・秩父神社宮司がコーディネーターを務めた。
この中で、竹村氏は、ローマ教皇フランシスコによる回勅「ラウダート・シ」に触れ、環境問題に対する宗教者の役割に言及。宗教者は人々の価値観や生き方に大きな影響を与える存在であり、気候変動の解決に取り組む国連との協働を進めるとともに、地球環境保護に向けた市民の意識啓発にあたってほしいと期待を寄せた。
なお、当日は、竹村氏の発案による「デジタル地球儀」が会場に展示された。これは、触れることができる球体型のディスプレイ上に、地球温暖化や海面温度、降水量などの現在の状況やこれまでの変化などをリアルに表示できるもので、参加者は実際に地球儀に触れながら、現在起きている環境問題への理解を深めていた。
世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)
宗教対話・協力を基盤として、平和の実現に向けて献身する世界の宗教者の集まり。1970年に創設された。
同日本委 http://saas01.netcommons.net/wcrp/htdocs/