本会一食平和基金 ロヒンギャ難民の支援に2万ドルを拠出

ミャンマーから川を渡ってバングラデシュ南部テクナフ付近に避難したロヒンギャ難民(写真・AFP=時事)

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会は9月19日、ミャンマー軍などによる迫害を受け、隣国のバングラデシュに逃れたロヒンギャ難民への支援に対し、2万ドルの拠出を決定した。浄財は、現地での救援活動に当たる本会バングラデシュ教会に寄託される。

ミャンマーは、国民の約9割が仏教徒。同国北西部のラカイン州で暮らす少数派ムスリムのロヒンギャは、同国政府に「バングラデシュからの不法移民」とされ、無国籍の状態に置かれてきた。また近年の軍事政権下では、民主化運動を支持したとして、財産を没収され、強制労働に従事させられるなどの弾圧を受けてきた。

こうした事態に耐えかね、多くのロヒンギャが、ムスリムの多いバングラデシュやマレーシアなどの周辺国に助けを求めてきた。しかし、どの国も受け入れに消極的で入国を制限され、中には人身取引のビジネスに巻き込まれ、東南アジア海域を漂流した末に犠牲になるといった事件が頻発していた。

さらに、昨年からロヒンギャの武装勢力に対するミャンマー軍の掃討作戦が激化。今年8月25日に、ロヒンギャ武装勢力と同軍・警察との大規模な武力衝突が発生した。9月1日には、軍は400人に及ぶロヒンギャが死亡したと発表。国連によると、この衝突で身内を亡くし、家を焼かれて財産を奪われ、バングラデシュへ逃れた難民は42万人(9月22日現在)に上る。

バングラデシュ政府は同国のキャンプに身を寄せる難民に身分証明(ID)を発行して食料や水を配布している。しかし、キャンプに入れず、IDを持たないロヒンギャには配布もなく、野宿を強いられているという。加えて、モンスーンによる連日の豪雨で洪水が発生し衛生環境が悪化。コレラなど感染症の発生が懸念されている。

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