【参議院議員・白眞勲さん】緊迫する北朝鮮情勢 今後の国際社会の対応は?
国際社会の一致と外交力が鍵
――北朝鮮問題の解決に必要なことは
北東アジアは何とかバランスを保っていますが、非常に不安定な状況で、各国が疑心暗鬼になっています。まず、北朝鮮に核開発を放棄させ、ミサイルの発射をやめさせるという共通の目的で5カ国(米国、中国、ロシア、韓国、日本)がしっかり連携を取っていくことが重要です。各国は、自国の利益に固執することなく、共通の目的に沿って意見交換することが重要であり、それが解決への第一歩だと考えています。
もう一つ大切なのは、拉致問題も含め北朝鮮の著しい人権侵害を国際社会に訴えていくことです。核査察と同時に人権査察も行われるべきだと思います。
しかし、北朝鮮にプレッシャーを与えるだけでは反発を招き、ますます強硬な姿勢をとる危険性もあります。核開発を放棄することによって北朝鮮の体制が維持される道筋があることを、関係の深い中国とロシアがはっきりと示し、最終的には北朝鮮を議論に加えていくことも必要です。国際社会の一致と外交力を期待します。
――日本にできることは
朝鮮半島で武力衝突が起きないようにするために、まずは日韓の連携を今まで以上に強化する必要があります。日中、日韓には現在、さまざまな外交上の問題がありますが、だからこそ、日本・中国・韓国の指導者が頻繁に行き来しながらさまざまな懸案について真摯(しんし)に話し合い、関係改善に努めつつ、北朝鮮への対応を協議してほしいと思います。私は野党という立場ですが、両国との関係回復に尽くす考えです。
プロフィル
はく・しんくん 1958年、東京都生まれ。日本大学大学院生産工学研究科博士前期課程建築工学専攻修了。2003年に日本国籍を取得した。朝鮮日報日本支社長退任後の04年、参議院議員選挙比例区で初当選(民主党)。北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会委員長、内閣府副大臣を歴任。3期目の現在、憲法審査会筆頭幹事、北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会筆頭理事、民進党ネクスト拉致問題担当副大臣を務める。
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