【俳優・國村隼さん】それぞれの「かぞくいろ」 変わらない家族の愛と絆
現代の家族に必要なもの、それは……
――時代の変遷とともに家族のありようが変化してきました。現代の家族に一番必要なことは何ですか。國村さんが感じていることはありますか
昔はお父さんが外で働き、お母さんは家にいて、子供が二人以上いるのが「普通の家族」とされてきました。でも今は家族の形がどんどん変わってきています。父親、母親の役割はそれぞれの家庭によって異なります。核家族や夫婦共働きが圧倒的に多くなってきましたし、「ひとり親家庭」も珍しくはありません。時代の移り変わりとともに、人々は多様な暮らしを求めるようになってきたのかもしれません。
そんな現代の家族に一番必要なことは何か。それは互いの「努力」だと思うのです。例えば、夫婦になる時に「仕事や家事をどうするのか」を話し合う必要がありますよね。次に子供が生まれたら、役割分担を話し合わないといけません。自分たちが築こうとする家族はどんな家族なのか。自分たちは父親や母親の役割をしっかり果たしているのだろうか。自問自答しながら、それぞれが自分の役割を果たしていく必要があると思うのです。
――家族は「言葉に出さなくても分かり合える存在」ではないわけですね
もちろんです。やはり言葉にしないと何も生まれないし、相手の気持ちなんて分かるはずがありません。特に古いタイプの男性に多いのですが、奥さんに感謝の言葉を口にしない人が実に多い。このところ、熟年離婚が増えてきたのも、何となくうなずけるような気がします。
話は変わりますが、先日、ある喫茶店で不思議な光景を目にしました。若いカップルでしたが、食事が運ばれてくるまで二人とも無言でずっとスマホを操作していたのです。
今は、電車に乗っても街中でもスマホを操作する人ばかり見掛けるので、こうした光景も珍しくありませんが、少し悲しい気持ちになりました。