立正佼成会 庭野日鑛会長 1月の法話から
1月に行われた大聖堂での式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。(文責在編集部)
足るを知る
私は、本年の書き初めとして、『知足(ちそく)』という文字を書かせて頂きました。これは、「足(た)るを知る」という誰もが知っている言葉です。京都の龍安寺にある石の手水鉢に、『吾・唯・足・知(われ・ただ・足るを・知る)』という有名な言葉が彫られています。「足るを知る」は、私たち人間の誰もが、本当に大事にすべきことです。
このことについて、慈雲尊者がこんな言葉を述べられています。
足ることを知る者は常に富み、いからざる者は寿也(いのちながし)
足るを知ること、そして怒(いか)らないこと。仏教で最も大切なことを、慈雲尊者が言い表されています。そのような意味で、「足るを知る」を今年の一つの文字に表しました。
(1月7日)
「新年」を大事に
日本には、新年をとても大事にする文化、伝統があります。大聖堂にお参りされた方、教会にお参りされた方、神社・仏閣にお参りされた方など、いろいろといらっしゃると思いますが、とにかく日本人は新年を大事にしてきました。
「新年」には、まず自ら新しくすべき時だということが、そこに込められています。もし新年がなく、また朝がなく、人間の生活がダラダラと一向に変化のないものであったなら、人間はどんなにか早く自滅してしまったことでしょう。
常に変化があるようにする。常に自ら新しくする。このことがなければ、人間も民族も国家も保てない――新年を大事にすることは、民族、国家、それはまた世界にも及ぶということです。
新たな年を迎えて、みんなが神仏にお参りをするのは、神仏と心を一つにすることと言えます。平和、調和をみんなが願ってお参りするわけですから、本当に大事なことです。私たちも新年を、いつも大事にしたいものです。
(1月7日)
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