立正佼成会 庭野日鑛会長 8月、9月の法話から
8月、9月に行われた大聖堂での式典、第七百三十五回波木井山川施餓鬼法要から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。(文責在編集部)
亡くなった親に孝行
ある本によると、親孝行とは、親が生きている間に何かをするだけではないのだそうです。親が亡くなった後、霊界の親が、「見てください。あれが私の娘です。いつも楽しそうにニコニコして、人から喜ばれる生き方をしているでしょう」と話したくなる。また、「あれが私の息子です。皆さんが喜ぶことをして誠実に生きているでしょう」と、親が喜ぶ生き方をする。それが親孝行の意味だと言われるのです。
親が生きている間に、親孝行ができなかったと後悔する人がほとんどですが、親が亡くなった後、本当の親孝行が始まります。法華経に出遇(であ)い、いのちを頂いていることがいかに有り難く、尊いかに気づき、菩薩行に努めて、人さまに喜んで頂ける生き方をすることが大事になります。
親孝行とは、必ずしも親が生きている間でなくてもできるのです。
(8月15日)
感謝は自ら
ある夫婦が「感謝すると良い」という話を聞かれたそうです。そして、家に帰った後、「おまえは感謝が足りない」「あなたは感謝が足りない」と言って大げんかをしたのだそうです。感謝が大切であるということを相手にぶつけ、攻撃したわけですね。
感謝とは、相手に強要するものではありません。自らが、有り難いと感謝をすることが本来であります。
今あるいのちが有り難いという感謝の気持ちになれたら、夫婦関係も円満になります。自らが感謝することを通して、大勢の皆さんと仲良くしていこうというのが教えです。それはまた、日本人同士だけでなく、世界のあらゆる人々と仲良くしていく元になるのです。
(8月19日 第七百三十五回波木井山川施餓鬼法要)
中国を訪問して
会議などで長い時間座って、相手のおっしゃることを伺い、こちらも話をするのには辛抱強さが要求されます。しかし、宗教者同士、民間の者同士が、お互いに打ち解け、話し合いを積み重ねていくことが、国と国との平和、世界の平和につながっていくと受けとめさせて頂きました。今回、北京、また雲南省にまいりました経験を、これから活かして世界の平和のために尽くしていかなければならない――そんなことをつくづくと感じ、帰ってきました。
(9月1日)