共生へ――現代に伝える神道のこころ(23) 写真・文 藤本頼生(國學院大學神道文化学部教授)
天候の黒子として雨や熱を運ぶ「風」に感謝し 農耕の無事を神々に祈る
あくまでも個人の主観だが、伊勢地方は他の地域に比べて風がよく吹く印象がある。初めて伊勢を訪れたのが、寒風すさぶ一月末のことで、冬の季節風が吹く時期であったためかもしれない。「神風の」は伊勢を示す枕詞。伊勢は海に面しており、現在では津市の山間部に日本最大級の出力を誇る風力発電所があるほど、地理的にも風が吹き抜けやすい地形にある。とはいえ、「神風の伊勢」とは言い得て妙だと思ったのもその時であった。
中央学術研究所から『大乗仏典思想叢書』第6号、第7号が発刊 仏典の理解深め 仏教思想研究発展に寄与
立正佼成会中央学術研究所はこのほど、『妙法蓮華経』の原典(底本)研究に資する『Philosophica Mahāyāna Buddhica Monograph Series(大乗仏典思想叢書=そうしょ=)』の第6号『梵文(ぼんぶん)法華経「ケルン・南條校訂本」ローマ字本・脚注補完 第1分冊』および、第7号『初期仏典・マハーヴァスツ・ラリタヴィスタラ―並行・類似詩脚索引―』の2点を発刊した。第6号は同研究所学術研究室の西康友主幹が、第7号は西主幹と同研究所の黛千洋特別研究員が編纂(へんさん)した。