東村山教会発足50周年記念に際する宿直の取り組み
午後9時。教会道場の見回りなどを終えた壮年部員が受付に集う。車座に並べた椅子に座ると、歓談が始まった。「子育ての多くを妻に任せきりで、本当に感謝している」「AI兵器の倫理的な規制を作るために宗教の役割は大きい」。和やかな雰囲気での語らいは、立正佼成会東村山教会が発足50周年を機に実施した「宿直修行」の一場面だ。
同教会は今年、『ありがとう50周年 新生東村山へ さあみんなで歩きだそう!』をテーマに、会員一人ひとりと丁寧に関わることを目指して各支部、各部で20にわたるさまざまなイベントを開催してきた。
また、11月1日から7日までを「いいな 周年ウィーク」に設定。会員が自由に参拝して、教会の歩みをまとめた映像作品を視聴したり、お茶を飲みながらサンガと(教えの仲間)語り合ったりできるようにした。この期間中、壮年部は宿直修行を実施。夜間に参拝する会員と触れ合ったほか、ご宝前の給仕や朝夕の読経供養を行った。
宿直の中で生まれる部員同士の交流は、サンガの絆を改めて確認する機会になったという。参加者の一人である壮年部員(75)は約10年前、ケアマネジャーと介護施設の管理業務に加え、壮年部の役などで多忙を極めて心の余裕を無くした。教会の全ての役を降りたいと伝えた時、田爪希依教会長(当時)から宿直修行だけは続けないかと諭された。
その後、5年にわたり毎月の宿直修行に取り組むうち、当時の声かけは、教えから離れないようにと願う田爪教会長の慈悲心であったと気づいた。読経供養を通して自らの心を見つめ、サンガと共に修行できる有り難さをかみしめたことが今につながっていると話し、仲間と喜びを分かち合った。
壮年部長(56)は、「壮年部員が、仕事や家庭の不安、悩みなどを話し合える場の大切さを再確認できました」と語った。
周年行事の実行委員長を務めた渉外部長(64)は、周年の取り組みを通した出会いを今後も大切にし、「家族や会員同士の心のつながりを深められる温かな触れ合いを続けたい」と述べた。