終戦から79年 大聖堂の「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典で庭野会長が法話 「和」の精神で平和の構築を(動画あり)
終戦から79年を迎えた8月15日、東京・杉並区の立正佼成会大聖堂で「戦争犠牲者慰霊・平和祈願の日」式典が厳修された。全国の会員は各家庭で、インターネットによる式典のライブ配信(会員限定)を視聴。第二次世界大戦をはじめとする全ての戦争、紛争、内戦、テロの犠牲者のみ霊(たま)に慰霊の誠を捧げ、世界の平和を祈念した。法話に立った庭野日鑛会長は、「和」の精神で平和をつくっていく大切さを説いた。
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式典では、戦争犠牲者と遺族の悲しみに思いを寄せ、戦争と平和について考える映像作品「平和への誓い」が配信された。次いで読経供養が行われ、導師をつとめた庭野光祥次代会長が、庭野会長の「回向文」を奏上した。
この中で庭野会長は、戦後79年にわたる日本の文化国家、平和国家としての歩みと豊かな発展が、先の大戦で犠牲となった多くのみ霊の上にあることを常に忘れず、「和」の心を灯(とも)していく重要性を強調。「仏教教団の責務として、悲惨な戦争体験や平和への願いを子々孫々に語り継ぎ、如何(いか)にして立派な国を打ち立て、創造していくか、真剣に務めてまいります」と示した。また、今この瞬間も世界各地で戦争や紛争による暴力と怒りの連鎖が起きている現状に言及。法句経(ほっくぎょう)の、「まことに怨(うら)みは怨みによって報いれば、ついに止(や)むことはなく、ただ怨みを捨てるとき、それは止むのである」との一節を挙げ、会員と共に、み仏の教えを受持して怒りの連鎖を断ち、大和の世界を目指し、大乗菩薩道を歩んでいくと誓願した。
続いて導師の光祥次代会長が焼香し、平和を象徴する折り鶴を献じた。
この後、庭野会長が登壇。焼香、献鶴し、法話に立った。庭野会長は、読売新聞のコラムに掲載された詩を引用し、地球や太陽フレアの写真を紹介。さまざまな文献や新聞記事を通して、美しい地球につかの間の命を享(う)け、さらにその地球や太陽にも寿命がある中で、なぜ人間は戦争をやめないのかを考えていると語り、「私たちの命は、そうした太陽や地球のおかげさまで有るということをしっかりと受け取って、戦争などをしないような地球にしてまいりたい」と述べた。
さらに、聖徳太子が604年に日本で初めて制定した「十七条憲法」の第一条が、「和を以(もっ)て貴しと為(な)す」から始まることや、日本の昔の別名が「大和(やまと)」であったことに言及した。大和は大いなる平和、大いなる調和を意味し、日本は古代からそうした国を目指してきたことから、大いなる平和、大いなる調和は日本の本願と説示。「和の精神をしっかりと私たちのものにして、そしてそれを世界に広げて、平和に暮らせるような努力をさせて頂くということが大切」と語った。