佼成カウンセラー有資格者全国大会 川野泰周師がマインドフルネスを主題に講演

基調講演で川野師はマインドフルネスを紹介した

佼成カウンセリング研究所による「佼成カウンセラー有資格者全国大会」が7月6日、立正佼成会大聖ホール(東京・杉並区)を会場に、オンラインを併用して行われた。同大会は、「佼成カウンセラー養成講座」で学び、全日本カウンセリング協議会の認定資格を取得した有資格者が一堂に会して相互研鑽(けんさん)するもの。「佼成カウンセラー」としての活動の共有、情報交換を通してネットワークの強化、促進を図ることが目的とされている。当日は69人が会場に参集し、197人がオンラインで参加した。

大会では冒頭、西尾京子本会習学部長が開会のあいさつに立ち、大会テーマ『いま、出会う』に言及した。日々の忙しさに追われ、自身の本当の感情を見つめることなく孤独感を抱いて生活している人は少なくない、と現状を分析。今大会を通してそれぞれが抱えている課題と思いに向き合い、コミュニケーションをとることで癒やされ、安らぎを覚えるような「出会い」をつくる機会にしてほしい、と呼びかけた。

講演に立つ川野師

午前の部では、臨済宗建長寺派林香寺住職の川野泰周師が『健やかな心と体を支えるマインドフルネス』をテーマに基調講演を行った。川野師は冒頭、カウンセラーなど傾聴者のメンタルヘルスの重要性を指摘。自分の素直な感情に目を向け、穏やかな心の状態を保つための一つの方法としてマインドフルネスを紹介した。

マインドフルネスは主に瞑想(めいそう)を通じて、「今」を体感し、とらわれのない心の状態を目指すものであると解説し、その上で、マインドフルネスの2大要素である「アウェアネス(気づき)」「アクセプタンス(受容)」について説明。目の前に生じている出来事と自身の内部から湧き上がる感情にそれぞれ意識を向け、両方から得られた情報に対し先入観を抱かず、ありのまま受け入れる心が「セルフ・コンパッション(慈悲心)」につながると述べた。

さらに、「大事なのは慈悲の実践です。自分の感情と折り合いがつけられるようになり、自分に対する優しさが心の中に育まれることで、他者を深く理解でき、心から励ますことができるようになります。人間は誰もが不完全な存在ですから、自分を大切にしながら、悩みを持つ方々に優しさを伝えてください」と参加者に語った。

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