「KAICIIDのアル・ハルティ事務総長が教皇と懇談」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

教皇と懇談するアル・ハルティ事務総長(KAICIID提供)

KAICIIDのアル・ハルティ事務総長が教皇と懇談

「アブドッラー国王宗教・文化間対話のための国際センター」(KAICIID)のズハイル・アル・ハルティ事務総長は6月7日、バチカンを訪問し、ローマ教皇フランシスコと懇談した。

バチカン広場での一般謁見(えっけん)、午後の消化器官手術を控えた教皇との懇談だったが、アル・ハルティ事務総長は、教皇に対して創設時からKAICIIDを(オブザーバー創設国として)支援、支持してきたバチカンに謝意を表明した。

バチカンは2007年、教皇ベネディクト十六世との会見で二つのイスラームの聖地(メッカ、メディナ)の管理人である故アブドッラー国王から、「何世紀も続く諸宗教・諸文明間での不理解を、対話によって解決していくためにKAICIIDを創設する」ことを提案されて以来、オブザーバー国として、スペイン、オーストリア、最近ではポルトガルと共に、KAICIIDのイニシアチブを一貫して支持してきた。理事会には、バチカン諸宗教対話省長官のミゲル・アンヘル・アユソ・ギクソット枢機卿が、本会の庭野光祥次代会長らと共に理事として参画している。

教皇との懇談後、アル・ハルティ事務総長は、バチカンが普遍的な平和構築のための手段として、諸宗教対話の重要性を主張することに意義ある役割を果たしたと指摘。「教皇フランシスコに会い、私たちの対話に対する努力を共に再確認できたのは光栄だった」と述べた。

また、KAICIIDが国際事務局を置くポルトガルのリスボンで今年8月に開催される「世界カトリック青年の日」の集いに教皇が参加予定だと言及。同集いの前に、「諸宗教対話の重要性を教皇と再確認できた」ことにも謝意を表した。

アル・ハルティ事務総長は、今年5月にもバチカンを訪問し、ギクソット枢機卿、バチカン国務省長官のピエトロ・パロリン枢機卿と懇談している。ギクソット枢機卿とは、「諸宗教間対話と理解の重要性」が話題となった。

パロリン枢機卿とは、「諸宗教間協力に向けた道程の設定や対話促進の方法」をテーマに会談。「世界カトリック青年の日」についても語り合った。この中で、パロリン枢機卿は、「KAICIIDの果たしている人道的役割が、対話、平和的な共存に向けた世界レベルでの土台を提供している」と評価。「新たな拠点となったポルトガルでも、KAICIIDが使命を果たす」ことに期待を寄せた。

両指導者は、「諸宗教指導者には、社会的課題の解決に貢献するという重要な役割がある」という点で見解の一致を見いだした。

【次ページ:WCRP/RfP国際共同議長がWCCを訪問】