新宗連「第33回教団人セミナー」 活動の社会的・宗教的役割を整理
新日本宗教団体連合会(新宗連)の「第33回教団人セミナー」が3月17日、オンラインで開催された。テーマは『新宗連の今後の活動について』。加盟教団の役職者約30人が参加した。立正佼成会から庭野光祥次代会長(新宗連理事)、國富敬二理事長(同常務理事)らが出席した。
当日は、筑波大学非常勤講師で新宗連事務局員の武藤亮飛氏が『宗教間対話の分類による新宗連活動の分析』と題して発表した。
武藤氏は、新宗連の活動を分類すると、「社会貢献」(ボランティアや平和活動・社会運動)、「儀礼」(平和祈願や慰霊)、「求道」(教団間の交流や教義的対話)、「相互扶助」(宗教活動・宗教法人運営のサポート)に大別できると説明。新宗連結成当初は、宗教法人法の公布(1951年)などに伴い、法人規則の整備などに関わる手続きを円滑に進める必要があり、「相互扶助」としての機能が大いに求められたと述べた。
一方、社会の状況に対応し、宗教の「公益性」を発揮するため、「社会貢献」の活動も展開されたことを解説。東西冷戦下で核開発競争が進む中での核廃絶・軍縮への取り組み、東日本大震災に伴う被災地でのボランティア活動などを紹介した。また、「戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」や「教化活動懇談会」などを通じ、「儀礼」「求道」の活動にも注力してきたと論じた。
その上で、全ての活動には、加盟教団がそれぞれ相互理解を深める「場」としての機能も果たしたと強調。それが、諸宗教対話・協力を進める「諸宗教連合体としての新宗連の大切な存在意義の一つになっている」と述べた。
この後、参加者は班に分かれ、意見を交わした。