庭野平和財団が「庭野平和賞奨励賞」を新設 先駆的で将来性のある平和活動の推進を願い

庭野平和財団は、ウェブサイトで「庭野平和賞奨励賞」の新設を発表した(同財団ウェブサイトから)

公益財団法人庭野平和財団はこのほど、「庭野平和賞」に加えて、「庭野平和賞奨励賞」の新設を決定し、9月10日にウェブサイトで公表した。同奨励賞は、宗教的精神を基盤とした平和活動に取り組む有望な個人や団体を表彰するもの。現在の業績を評価し、将来への期待と激励の意味を込めて贈られるものだ。第1回「庭野平和賞奨励賞」の受賞者は、来年2月に発表される。

「庭野平和賞」は、宗教協力を通じて世界平和の推進に顕著な功績をあげた国内外の個人や団体を表彰するために創設され、1983年に第1回贈呈式が行われた。今年で第38回を数えた。受賞者の業績をたたえ、国内外に活動の意義を広く伝えるとともに、平和の実現に向け宗教的精神を基に活動する人々の輩出に寄与することを目指してきた。

新設される「庭野平和賞奨励賞」は、人々の幸福と平和な社会を構築するための先駆的で、将来性のある取り組みを展開している個人(団体)に贈られる。地域コミュニティーの中で見られる分断や孤独のほか、貧困や教育格差、民族紛争、環境汚染といった社会的な諸課題に対して草の根の活動を展開し、大規模な活動ではなくても着実な成果を上げ、地域の人々の幸福と平和な社会の構築に尽くしている取り組みを奨励していく考えだ。

同賞について、同財団の高谷忠嗣専務理事は、「これまでにない発想と新しい手法で、人々の生活の課題を解決するために具体的な活動を展開している方に贈らせて頂きたいと思っています。庭野平和賞はグローバルに活躍されている宗教者の方々に贈呈してきたのに対し、新設した庭野平和賞奨励賞は、人々の生活に密着し、地域で活躍されていて、宗教的精神を持つ方々を想定しています。世界各地で地道に平和活動に取り組む方々のご功績を紹介させて頂くことで、そうした人々と活動に光を当てて社会の関心を呼び起こし、後に続く人材の輩出につながればと願っています」と語る。

受賞者は、国内外の学識者やジャーナリスト、NPO・NGO関係者などの推薦人が挙げた候補者の中から、「庭野平和賞奨励賞委員会」による審査、現地の協力者による調査や面談によって決定する。毎年3人を上限に選定し、贈呈式は、「庭野平和賞」贈呈式とは別日程で実施。受賞者には正賞の賞状、副賞の賞金200万円が贈られる。