WCRP日本委、上智大などの共催による「ミャンマーの平和を願う祈りと学びの集い」 暴力の即時停止へ連帯呼びかけ
「ミャンマーの平和を願う祈りと学びの集い」が6月26日、ウェブ会議システムを使って開催された。世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際トラスティーズ・日本グループ、上智大学アジア文化研究所、WCRP/RfP日本委員会の共催。アジア宗教者平和会議(ACRP)東京事務局が後援した。約400人が視聴した。
ミャンマーでは、今年2月に国軍によるクーデターが発生。民主化を訴える市民と国軍の対立が続き、市民への弾圧で多くの被害が生じている。同集いは、ミャンマーの平和を願い、同国内の現状について理解を深めるもの。
第1部の「ミャンマーの平和を願う祈り」では、国軍の弾圧によって亡くなった犠牲者を追悼するとともに、暴力の即時停止、平和の実現を願って、7団体の代表による宗教宗派別の祈りが行われた。この後、参加者全員で黙とうを捧げた。
第2部では、植松誠WCRP/RfP日本委理事長(日本聖公会主教)のあいさつに続き、『ミャンマー情勢への理解を深めるために』をテーマにパネルセッションが開かれた。松井ケティWCRP/RfP日本委研究所所員(清泉女子大学教授)がコーディネーターを務め、6人が発題を行った。
この中で、2人の在日ミャンマー人女性が、市民の現状を報告。軍の弾圧に反発して登校を拒否する学生や、山中などに逃れて避難生活を送る人々の様子を伝え、市民の窮状に対し、国際社会や日本政府、諸宗教者などに支援を求めた。
同国の歴史に詳しい上智大学の根本敬教授は、困窮するミャンマーの市民への援助や、在日ミャンマー人との交流を通して、ミャンマー人との連帯を示すことが大切になると強調した。
一方、杉野恭一WCRP/RfP国際委員会副事務総長は、現地の人々の願いは、軍の暴力を止めるだけでなく、多数の民族が混在するミャンマーで民族融和による統治への新たな道が築かれることと説明。さまざまなネットワークを持つWCRP/RfPが主導して、現地の宗教者と共に和平調停や人道支援にあたる重要性を訴えた。
WCRP/RfP国際活動支援議員懇談会幹事長の逢沢一郎衆議院議員は、現在の状態が続けば、同国内の経済が疲弊し、食料不足に陥る危険性があると指摘。弾圧を続けることが、国軍にとっても大きな不利益になることを訴えて、和解を図る政策を、日本政府として打ち出す必要があると語った。
ACRPの根本信博事務総長は、同国の若者が、クーデターによって夢を持てずに絶望を感じているという現地の知人の話を紹介。宗教者のネットワークやSNSなどを通して現地の市民を励ますことが求められており、「夢を捨てないで。あなたたちは一人じゃない。国が変わるように私たちも努力する」と声をかけてほしいと参加者に呼びかけた。
この後、質疑応答が行われ、参加者からの「日本からの支援は届くのか」「ミャンマー情勢への日本人の関心をさらに高めるには、どうしたらいいか」といった質問に発題者が回答した。