文京教会 会員たちが手紙やはがきで交流重ね 日々の実践や喜びを文集に
新型コロナウイルスの感染拡大で教会への参拝が制限されている中、立正佼成会文京教会では昨年から、教会と会員の間で手紙やはがきのやりとりを重ね、サンガ(教えの仲間)のつながりを深めてきた。手紙につづられた会員の日々の実践や喜びは、『即是道場(そくぜどうじょう)』と題する文集にまとめられ、サンガが功徳を分かち合っている。
手紙やはがきによる交流は、コロナ禍の中でも会員同士のつながりを大切にしたいとの願いから、昨年3月に始まった。オンライン通信の苦手な会員が多い事情も踏まえての取り組みで、最初は会員へのメッセージを記した手紙を教会から発送した。受け取った会員たちは、『創立記念日に感謝させて頂いたこと』『即是道場 今いる所での私の実践』という二つのテーマに沿って自分の思いをつづり、返信した。
教会には約200通が届いた。「一日一日、家族が全員そろって食卓を囲み、会話を楽しめることに感謝」「一年半前、右足が動かなくなり、車いす生活の中、お導きを頑張りました」といった喜びや、「新型コロナウイルスの感染終息を願い、祈願供養をしています」「会社では、いつも笑顔で人さまと触れ合う」「自粛が続き不安な方も多いと思うので、心に浮かんだ人にはためらわず連絡し、つながりを深めます」など各自の実践や目標が記されていた。
一人ひとりの思いを知った川野光代教会長は、その全てに直筆で返信。会員からは、「じかに声をかけてもらっているようで有り難い」といった感想が寄せられた。
教会ではその後もテーマを設けて、手紙のやりとりが続けられ、届いたはがきは教会道場に飾られた。会員同士が再会できた時、直接分かち合えるようにとの願いからだ。
さらに、一人ひとりの思いを形にしてサンガ全体で分かち合うため、昨年中に寄せられたはがきの言葉をまとめ、記念文集『即是道場』を製作。文集には、一年の歩みを紹介する写真も掲載した。
編集委員の青年婦人部副部長(38)は、「大変な中でも人さまとつながりたいと願い、前向きに目標を掲げる皆さんの温かさが伝わってきて、心が和み、力を頂きました」と語る。
完成した文集は昨年12月に各家庭に発送された。それを手にした会員たちは、サンガの思いに触れ、日々の励みとしている。女性会員(83)は、「何度も読み返しました。皆さんの言葉に触れ、法座をしているような気持ちです」と話し、仲間の有り難さをかみしめる。
川野教会長は、「コロナ禍の中で、一人ひとりと丁寧に触れ合う大切さを改めて教えて頂きました」と語る。同教会では、『即是道場』をテーマに、今年も同様の取り組みを続けている。その文集も発行する予定だ。