「同宗連」第34回部落解放基礎講座
立正佼成会も加盟する「『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議」(「同宗連」)の「第34回部落解放基礎講座」(関東会場)が6月19、20の両日、本会の法輪閣(東京・杉並区)で実施された。12教団から58人が参加した。
同講座は、部落差別の解消を目的に毎年行われているもの。19日の開会式では、「同宗連」の野口善敬企画委員長、受け入れ教団として本会同和問題推進本部長を務める澤田晃成総務部部長、「同宗連」の三輪教真事務局長があいさつに立った。
この後、『宗教と部落差別問題』をテーマに浄土宗西山禅林寺派人権擁護推進室の岩田浩然室長が、『部落差別の現状と課題』をテーマに部落解放同盟中央本部の片岡明幸中央執行副委員長がそれぞれ講演した。
片岡氏は身元調査のための戸籍や住民票の不正取得などの事件が度々発生し、依然として出自を理由とした結婚差別、就職差別が後を絶たないと語った。また、部落差別に関する宗教者の不適切な発言への反省が「同宗連」の結成につながり、各教団が差別戒名の撤廃に努める経緯を詳述した。
20日には、臨済宗妙心寺派人権擁護推進委員会の森本泰弘委員が『被差別部落の歴史に学ぶ』と題して講義を行った。森本氏は、明治政府が1871年に「解放令」を布告し、それまで「賤民」として厳しく差別されてきた人々を平民に編入し、法的には身分による差別は廃止されたが、差別を解消する政策や教育は行われなかったため、自由競争の中で生活の基盤を失い、一層貧困化したと指摘。結果的に彼らを苦しめ、現代の部落差別の原因を生んだと解説した。
講義を受けた参加者は、この後の分散会で、部落差別の解消に向けた宗教者の役割などについて意見を交わした。
なお、7月に関西会場、12月には九州会場で同様の講座が行われる。