「原爆の残り火を吹き消したローマ教皇」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

聖都エルサレムに関する共同声明文に署名するモロッコ国王と教皇フランシスコ(写真提供・バチカン記者室)

聖都エルサレムは平和共存のシンボル モロッコ国王と教皇

ローマ教皇フランシスコは、3月30、31の両日、総人口(約3500万人)の99%がムスリムであるモロッコを訪れ、30日に首都ラバトの王宮で国王ムハンマド六世と会談した。席上、「聖都エルサレムに関する共同声明文」に署名した。

今回の訪問は、国王と、同国の司教団の招きによるもの。「『人類の友愛』を基盤とするイスラームとの対話・協力」「命がけでサハラ砂漠と地中海の横断に挑み、欧州大陸へと向かうアフリカからの難民・移民問題」「小さなカトリック教会(同国信徒数2万3000人)に対する励まし」というのが主な目的とされる。

国王と教皇が署名した共同声明文では、「相互尊重と対話を醸成する、出会いと平和共存の場である聖都エルサレムは人類、とりわけ唯一神の3宗教(ユダヤ教、キリスト教、イスラーム)の信徒たちに共通の遺産」であるとし、エルサレムの「霊的で特別な使命を維持することの重要性」を強調。「エルサレムを特徴付ける多宗教的性格、その霊的側面と、特殊な文化的独自性が維持され、促進されなければならない」と訴えている。その上で、「3宗教の信徒たちの、アクセス(巡礼)の自由と、儀式を執り行う権利が保障され、平和の未来と地上における友愛を願う3宗教の信徒たちによって捧げられる、全ての創造主である神への祈りが天に届くように」と願っている。

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