紛争や貧困に苦しむ世界の友へ 「ゆめポッケ」キャンペーンが今年も
立正佼成会の小学生、中学生とその家族が主体となって行う平和活動であり、今年で20年目となる「親子で取り組むゆめポッケ」のキャンペーンが、6月1日から始まっている。真心が詰まったゆめポッケは、これまで世界の子供たち約79万人に配付された。現地からは、喜びや感謝の声が数多く寄せられている。
紛争や迫害、貧困などが原因で故郷から避難せざるを得なくなり、国内外での保護を求める人は年々、増え続けている。国連の発表によると、その数は6560万人に上り(2016年時点)、このうち51%が18歳未満の子供であるといわれている。多くの子供たちが家や学校を壊され、家族や友達を亡くし、深い悲しみや苦しみを抱えながら生活している現状がある。
「親子で取り組むゆめポッケ」はそうした子供たちに思いを届けるため、立正佼成会の小学生、中学生が布製の袋(ゆめポッケ)に、文房具やおもちゃを詰め、平和への祈りを込めたメッセージカードを添えておくる活動だ。
この活動は家庭でゆめポッケを作りながら、親子で平和について考え、思いやりの心を育むもの。さらに、世界の全ての人が「大いなる一つのいのちに生かされたきょうだい」としてつながっているという仏教の世界観、すなわち「一乗」の教えに基づいた「一食(いちじき)を捧げる運動」の実践につなげることも大切にしている。活動を通して、苦境にあえぐ世界の人々に思いを馳(は)せ、食事やお菓子などの一欲を節して、その費用を献じられるようになることを目指している。
キャンペーン期間中、各教会では「親子で取り組むゆめポッケ」の意義をより深く推進するため、事前学習会で世界の厳しい現状や「一食運動」の精神(同悲・祈り・布施)を学ぶ研修が実施されたり、ゆめポッケの箱詰め作業や発送式が行われたりする。国内外の陸路や海上での運搬など、ゆめポッケを海外へおくる全ての輸送費には、「一食運動」の浄財が充てられている。