気候変動の問題を地球市民として捉える WCRP/RfP日本委が「新春学習会」
『気候変動と宗教者の役割』をテーマに世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は1月23日、立正佼成会の法輪閣(東京・杉並区)で「WCRP新春学習会2018」を開催し、130人が参加した。
近年、強い台風やハリケーン、集中豪雨、寒波、干ばつ、熱波などの異常気象による災害が世界各地で発生している。こうした極端な気象現象は、地球温暖化が原因。「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)によると、20世紀半ば意向の世界平均気温の上昇は、主に人為的な温室効果ガスの増加によるものとの指摘がなされ、温暖化を抑える国際的な取り組みが急務になっている。
当日は「平和の祈り」に続き、京都造形芸術大学教授でNPO法人「Earth Literacy Program」代表の竹村眞一氏が基調発題を行った。
竹村氏は冒頭、世界各地で起きている内戦や紛争に対して、「気候変動が原因であるとは断定できないものの、全く関係がないとも言い切れません」と示唆。温暖化によってヒマラヤや北極などの氷が解け、海面上昇を招く一方、農業に必要な水資源に深刻な影響を与えており、農作物の生産が不安定化することで食糧問題が生じ、資源を巡る紛争につながり得ると説明した。その上で、テロ対策に尽くしても、テロリストを生み出す温床としての「『温暖化』『水源』『食糧』といった問題を解決しない限り、平和を築くことはできない」と強調。気候変動が紛争を招く危険性を示し、平和構築には地球環境保護の取り組みが不可欠と訴えた。