中央学術研究所が加盟する教団付置研究所懇話会「第16回年次大会」 信仰継承と人材育成をテーマに

『次世代への信仰継承のために――人材育成の問題点 どうやって伝えていくべきか?』をテーマに、教団付置研究所懇話会の第16回年次大会が9月28日、東京・港区の曹洞宗檀信徒会館で開かれ、21の研究機関から87人が参加した。立正佼成会からは、今井克昌教学委員長、中央学術研究所の川本貢市所長、学林の庭野統弘学長らが出席した。

当日は、曹洞宗宗務庁の釜田隆文宗務総長、曹洞宗総合研究センターの大谷哲夫所長があいさつ。『人材育成の問題点 どうやって伝えていくべきか?』と題した第一部で、天台宗総合研究センター主任研究員の桑谷祐顕氏、智山伝法院の鈴木晋怜副院長、庭野学林学長が発表に立った。

桑谷氏は“宗教離れ”が深刻化する現代社会に対応するため、宗内全教師を対象に研修制度を導入した経緯を紹介した。僧侶の意識啓発などにより一定の成果を得たと報告。再受講を促すような内容の充実が課題と指摘した。

発表に立つ桑谷主任研究員、鈴木副院長、庭野学長(左から)

鈴木氏は子弟の養成で重要な要素として、幼年・青少年期における「祈りの生活の習慣化」を挙げた。近代以降の寺院は世襲制が浸透し、家庭生活と混在する状況も相まって、それまで考えられていた「僧侶」としての生活が困難になったと説明。各寺院での宗教的情操教育が急務と述べた。

庭野学長は、本会の教育機関である「学林」の歴史と機能に言及。大聖堂が落成した昭和39年、大衆布教を推進するための幹部養成機関として創設され、寮生活を通して教学と菩薩行に取り組む「行学二道」の教育方針を解説した。学林生に対して、主体的な姿勢で修行に臨み、信仰を身につけていくことが課題と指摘。寮生活や布教実習などの体験が布教者としての根幹を形成すると述べた。

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