仏教伝道協会フィールドスタディ 仏教を学ぶ米国の学生らが本会を訪問

参加者一同は、スケランジェロ博士の説明を中心に在家仏教教団である本会の学びを深めた

日本仏教はこれまで、米国での仏教研究の中で重要な役割を果たしてきた。一方で、近年は中国やチベット仏教への関心が高まっており、約20年前から日本仏教の学術的研究が減少している。

仏教精神や文化などを広めるため、漢訳経典などを日常の言葉で表現した「仏教聖典」の普及や、北米・欧州の大学に仏教講座を開設する支援などを手がける公益財団法人仏教伝道協会は、こうした仏教研究の状況を受け、次世代を見据え、日本の仏教寺院などを巡る研修を企画した。そのプログラムの一つとして、立正佼成会への訪問が組み込まれた。

スケランジェロ博士から「三菩薩の漆画」に込められた意味や願いについての説明を受ける参加者たち

初夏の日差しが降りそそいだ6月5日、同協会による「フィールドスタディ」が大聖堂をはじめとする本会の本部施設で実施された。米国のカリフォルニア大学(バークレー校、ロサンゼルス校)やシカゴ大学、イェール大学などで仏教講座を受講する博士課程の学生ら7人が本会を訪れた。

当日、一行は大聖堂や一乗宝塔、法輪閣などを見学。本会国際アドバイザーのドミニック・スケランジェロ博士が、教団の歴史とともに、大聖堂のご本尊像や、三菩薩の漆画に込められた意味や願いを丁寧に説明した。参加者から、「佼成会の拠点は海外にもありますか」「どのように法華経の勉強をしていますか」といった質問が次々に上がると、本会の職員らは、海外にある教会道場の写真を見せながら、会員が日頃から庭野日鑛会長の法話や教会での研修を通して法華経を学び、法座で苦悩や喜びを語り合うことで心を磨いて精進していると伝えた。

一行は、庭野日敬開祖への「追慕・讃歎・報恩感謝・継承・誓願」の真心を捧げる依りどころとして建立された一乗宝塔にも訪れた

また、スケランジェロ博士は、誰でも大聖堂を参拝できること、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場として法輪閣を杉並区に無償で貸し出したことなどを紹介。在家仏教に興味を持っていたというJさん(27)は、「佼成会はオープンな姿勢で、地域社会との関わりも密接で、現代のニーズに合っていると思います」と話した。

食堂での歓談後、一行は大聖堂で行われた唱題修行 「お題目修行」に参加した。目を閉じてかみしめるように唱題に耳を傾けていたZさん(23)は、「とても短くシンプルな言葉を何度も繰り返す修行に、心が動かされました。皆さんの声が頭の中に響いています」と感想を述べた。