「盂蘭盆会」 庭野会長が法話 親子の縁の深さ、貴さ説く(動画あり)

時折激しく降る雨が凜(りん)とした朝顔を打つ7月15日、先祖の御霊(みたま)を迎え、真心からの回向供養を捧げる「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が大聖堂および全国各教会で厳修された。大聖堂には約1400人が参集。中野教会の会員(84)は「主人が新盆なので」と、合羽(かっぱ)を着て、シルバーカーを押しながら参拝した。

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照明を落とした大聖堂で心静かに、先祖に思いを馳(は)せながら、参集者は読経供養に臨んだ。導師の熊野隆規理事長と本部職員が全国から寄せられた9628体の新仏(にいぼとけ)の戒名を、杉並、中野の両教会の「教師」資格者が新仏と一般の戒名を一斉に奉読。熊野理事長が庭野日鑛会長の「回向文」を奏上し、焼香した。

体験説法に立った筑豊教会支部長(81)は、小学生の次男が事故で左目の視力を失ったことを機に入会した当時を回想。本部参拝で、つい次男の回復を願った時は、ご本尊の目を怖いと感じたが、法座で話を聞き、右目だけでも残してもらえた感謝を述べるとご本尊が笑って見えた時の衝撃を語った。

その後、暴力がやまない夫と離婚したが、10年後に他界した夫の葬儀を長男が執り行って以来、毎年祥月命日に追善供養をし、今年は三十三回忌を家族で営んだと報告。望まない現象も、自分の学びと受け入れ、「許す大切さと、その経験を糧に歩むことを心底教えて頂いた」と吐露した。現在も支部長として会員と共に学び合っていると話し、「開祖さま、会長先生への恩返しを続けます」と誓った。

次いで、庭野会長が登壇。焼香し、法話を述べた。庭野会長は、松原泰道師の著書に触れ、親を物質的に満足させても、仏・法・僧の三宝(さんぼう)を信じるまで伝えなければ親不孝と心得なければならないと語った。

さらに、仏性を忘れているのが凡夫(ぼんぷ)だが、読経供養は「忘れた仏性を思い出す縁」であると明示。その上で、親子の縁(えにし)がいかに深くて貴いか、子は親の恩に、親は子の恩に合掌せずにはいられなくなると伝える一節を引用し、「盂蘭盆会に当たり、信仰を頂き、自分の仏性、人さまの仏性を信じて修行させて頂くことの有り難さを自問自答して、精進を」と結んだ。