涅槃会 親子の関係の深さをかみしめ 日々懸命に精進を(動画あり)

大聖堂で開かれた「涅槃会」には、会員約650人が集まった

2月15日、釈尊が入滅時に説いた「自灯明・法灯明」の教えをかみしめ、活き活きと大乗菩薩道を歩んでいくことを誓う「涅槃会(ねはんえ)」が、大聖堂(東京・杉並区)をはじめ全国各教会で開催された。大聖堂には会員約650人が参集。式典の模様はライブ配信(会員限定)された。

当日の様子(クリックして動画再生)

式典は、映像作品『釈尊涅槃』の上映に続き、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、庭野日鑛会長の「啓白文」が奏上された。

次いで、体験説法に立った立川教会支部長(57)は、義母に結婚を反対され、結婚後も厳しい言葉をかけられ続けた苦悩を述懐。そうした中でも、サンガ(教えの仲間)に支えられながら教えを実践し続けたことで、結婚への反対は自ら法を求めてつかむためであり、一昨年に他界した義母はわが子への愛を貫いた生き方を見せてくれていたのだと受けとめられたと発表した。

また、15年目を迎えた支部長の役を振り返り、重圧から逃げたい気持ちや卑屈な心が根底にあると吐露。読経によって内省し、そんな自分を受けとめ、サンガとの触れ合いで心を育ててもらうことで支部長の役を投げ出さずにいられると語った。その上で、「日々真(ま)っ新(さら)な心で一人ひとりと丁寧に出会い、布教伝道させて頂きます」と誓願した。

法話を述べる庭野会長

法話に立った庭野会長は、家庭教育の秘訣(ひけつ)として、ある教育者の、わが子を教育するには親自身が素直になり、まっすぐになるほかはないとの言葉を紹介した。その上で、聖壇上に掲げられた釈尊入滅の様子を描いた涅槃図を指しながら、釈尊の母・摩耶(まや)夫人が、涅槃に入る釈尊を心配そうに見届けている構図になっていると説明。涅槃図を通して、母と子の関係がどんなに深いものかということをつかんでいかなければならないと伝え、私たちの親子関係を改めて考えていくことが大切と説いた。

最後に、曹洞宗の開祖である道元禅師が亡くなる時にも唱えていたとされる、「是(こ)の處(ところ)は即(すなわ)ち是れ道場なり」に言及。「私たちが生きているところ」が道場であり、「そこで今しっかりと味わいながら真剣に生きていきなさい」との教えだと受け取れると話した上で、「私たちもやがては亡くなるときもありますけれども、それまで一生懸命精進をしてまいりたい」と述べた。