本会一食 国内外の人道危機に計1600万円を緊急支援

能登半島地方の大地震と記録的豪雨で被災した仮設住宅の住民に対し、SVAは移動図書館活動を展開。巡回した本の貸し出しを通して住民の孤立を防ぐ交流の場をつくることを目指している(写真提供/同団体)

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会(委員長=齊藤佳佑教務部長)は先ごろ、災害や紛争が多発する国内外の現状を踏まえ、4地域に計1600万円の緊急支援を決定した。

この中で、石川・能登地方で発生した元日の大地震と9月の記録的豪雨による被災者への支援では、現地で仮設住宅の住民に対する移動図書館活動を展開する公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)に700万円を寄託。同団体は、仮設住宅を巡回した本の貸し出しを通し、住民同士の交流の場を提供している。

JVCでは、健診に訪れた親子に対し、現地パートナー団体と協力して子ども用の栄養補助剤を配布するとともに、親へのカウンセリングも実施している(写真提供/同団体)

また、海外で紛争による避難民が増え続けている事態を受け、同基金は、イスラエル軍が侵攻するパレスチナ自治区ガザで子どもの栄養改善事業を行う認定NPO法人日本国際ボランティアセンター(JVC)に500万円を緊急拠出した。

このほか、ウクライナ戦争でポーランドに逃れた母子へ日用品などを配布するNPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)の活動に300万円、ミャンマー国軍と武装勢力の戦闘で負傷した市民の救援事業を展開するNPO法人地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)に100万円を支援した。

JCFは、ウクライナで続く戦争から隣国ポーランドへ避難した母子たちに、食料や日用品、学用品を配布。ほかにも、爆撃を目の当たりにした児童の心を和らげるプログラムも提供する(写真提供/同団体)

ミャンマーでは、2021年2月の軍事クーデター以降、同国軍と武装勢力の戦闘が続いている。JCBLは、地雷などで負傷した市民の救援や、子どもたちの栄養を補助する給食の配布などの事業を展開している(写真提供/同団体)