「アウンサンスーチー氏の解放のために動き、彼女をバチカンに受け入れる提案もした――教皇」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
WCC総幹事と韓国首相が懇談
世界教会協議会(WCC)のジェリー・ピレー総幹事はこのほど、韓国キリスト教教会協議会(NCCK)の代表者たちと韓国首相府を訪問し、韓悳洙(ハン・ドクス)首相と「朝鮮半島の統一、(北朝鮮への)人道支援と経済制裁、環境正義、持続性のある発展」について懇談した。9月24日、WCCのプレスリリースが伝えた。
ピレー総幹事は、北朝鮮に対していくつかの分野で経済制裁を緩和することが、「朝鮮半島の状況改善につながる可能性を持つ」と進言。北朝鮮では、いまだ特効薬の無い特定種類の肺結核がまん延していることに触れ、キリスト教諸教会からの人道支援が、最も助けを必要としている人々の間で公平に分配されるよう保障する必要性を伝えた。
また、「朝鮮半島統一へ向けた、WCCの長年にわたる努力」についても話し合い、「NCCK、南北朝鮮の住民たちと共に、WCCが数十年にわたり展開してきた、(南北問題の)平和的解決に向けた対話への努力」も評価したという。
「環境正義」については、WCCが2022年世界大会(ドイツ・カールスルーエ)で提唱した「生きた地球のアジェンダ」、今年11月にアゼルバイジャンのバクーで開催予定の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)への韓国の参加について意見交換。「気候、環境問題からの挑戦に応えるWCCのイニシアチブ」「韓国政府による温室効果ガス排出量ゼロに向けたイニシアチブとプラスチックの生産削減」などに関しても話し合った。
さらに、ピレー総幹事は、「気候変動に対処するための活動が、南北間対話の新しいプラットフォームとなる可能性を持つ」と主張。双方が、持続性のある自然環境に対して関心を示しており、この呼びかけが、「南北間での協力と対話を促進するための新しい道を開拓するのではないか」と述べた。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)