在留外国人のための「IBC Bon Gathering(お盆の集い)」 楽しみながら仏縁に触れる機会に

「ワン、ツー」のかけ声に合わせ、青少年たちが奉献の儀を行った

「Hello, everyone!」。司会者の活気ある声で開式したのは、「IBC Bon Gathering(お盆の集い)」だ。8月4日、普門メディアセンター(東京・杉並区)の一室に、英語を母国語とする外国人など60人が集まった。

同集いを主催した立正佼成会国際伝道部・国際仏教教会(IBC)は、2001年に発足した仏教サンガ(教えの仲間)。これまで、日本に住む外国人に、仏教や法華経の教えを伝えるため、対面やオンラインのイベントを催してきた。

今回の集いは、英語話者の外国人に対し、先祖に手を合わせる機会を提供するとともに、佼成会への理解を深めてもらうことを目的として開催。さらに、日本の文化を味わい、楽しんでもらおうと、浴衣の着付けや盆踊りを企画した。

英訳された経文を、真剣に目で追う少女

当日は、浴衣や法被を着た青少年による奉献の儀に続き、水谷庄宏IBC教会長を導師に、先祖代々の諸精霊に対する読経供養が厳修された。参加者は、受付で配付された、経典の英訳が印刷された冊子を手に、熱心に英語での読経に挑戦した。

次に、本会国際アドバイザーのドミニック・スケランジェロ博士が、『根本仏教とお盆~先祖に感謝する1024の理由』と題して、「ダーマトーク(講話)」を行った。この後、会場にいる全員が車座になり自己紹介。カナダ、スリランカ、バングラデシュなどさまざまな国籍の参加者が交流を深めた。

スケランジェロ博士の講話。その後の質疑応答で“先祖供養”への理解を深めた

語り合いの最中、会場に「東京音頭」のメロディーが響き渡った。“お楽しみ”の盆踊りの時間だ。参加者に向けて水谷教会長が踊り方をレクチャー。リズムに合わせて、全員で輪になって踊り、日本の文化に触れた。

インド出身で、10年前に友人の誘いをきっかけにIBCの行事に参加し始めたというMさん(38)。「IBCのメンバーと連絡は取っていましたが、全然会えていなかったので、約5年ぶりに元気な姿を見られて安心しました」と話した。

全員で輪になり、盆踊りでフィナーレを迎えた

IBCメンバーのEさんは、インドネシア出身の25歳。「8年前に来日した際、日本語がうまく話せなかった私を、日本人のメンバーが温かく迎え入れてくれました。その時の恩返しをしたいと思っています。今日は二人の友人を初めて連れてきました。法被を着て、楽しそうに盆踊りに参加していて良かったです」と、流ちょうな日本語で喜びを語った。

IBCのメンバーに声をかけられ、初めて行事に参加したのは、スリランカ出身のTさん(23)。千葉県の自宅から会場に到着した時は、ぎこちない表情だった。その緊張も徐々に和らぎ、「昨日は遅くまでバイトだったので、朝起きるのが大変でしたが、たくさんの人と話せて楽しかったです。終わった後、大聖堂にも連れて行ってもらい、初めてご本尊像を見ました。大きくてきれいでした」と、最後には人懐っこい笑みを見せた。

互いに分け隔てなく触れ合う空間は、笑顔であふれていた。